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美来は、見た目は小さな女の子。
だけど、しゃべり方が大人びている時がある。
その美来が、時に大人に感じられるように思えたからだ。
「美来と再葉は……」
「同じなの」
「同じ?」
「私と再葉は、同じ年なの」
いきなり、美来の言葉に俺は驚いた。
見た目は完全に幼女の美来と、俺と同じ年の再葉。
どう考えたって見た目からしても、同じ年に見えない。
「同じ年って、まさか?」
「本当よ、私の免許証」美来が見せてきたのは、車免許証だ。
なぜ、美来が免許証を持っているか別として写真の女性と美来の顔が同じ。
年齢は1995年、二十五歳か。
「マジ?」
「マジよ、ついでに再葉も二十五歳なの」
「え?どういうこと?」
「私たち裏の世界の人間は、いろいろ表に溶け込めるように細工が施されていてね」
「それは、年齢詐称とか?」
「年齢は詐称されない。
まあ、美来や再葉には年齢は関係ない。
そうでしょ、若葉」
「ええ、ちなみに私は二人の上官なの」
ますますわからないが、美来は見た目通りではないことはわかった。
「それが、どう関係しているのか?」
「美来は失敗作で、再葉は成功しているの」
「どういうことだ?」
「再葉の発作を見たことあるでしょ」
「ああ、夜のヤツか」
それは、再葉が俺の家に泊まりに来た時に赤い目になった再葉の姿。
変な弓で、再葉の発作を止めたよな。
「そういえば、あの発作は何なんだ?」
「時間逆流」
「へ?」俺は驚いた顔を見せたのは、これで何度目だろうか。
「時間逆流が、彼女の中で行われているの。
人間の体には、世界に適合するように同じ時が流れる。
だけど、再葉は違う。再葉はある時を境に時間が流れなくなった。
もっと極端なことを言うと、美来は五歳三か月で時の流れが止まってしまったの」
「時間の流れ?」
「そう、時間はすべてに平等に流れる。
だけど時間の逆流があると、その物体だけが時間が戻ってしまう」
「待て待て、そんなSFな話をされても……」
「それは事実よ。だから美来も再葉は不死者なのだから」
美来は、凛とした顔で俺に言ってきた。




