表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一年彼女  作者: 葉月 優奈
六話:一年彼女を知る転校生
78/161

078

車の中には、俺と美来と眠っている再葉がいる。

運転手はもちろん若葉で、俺は助手席に座っている。

この車は、少し大きなワンボックスワゴン。

土から掘り出された再葉は、美来に付き添って眠っていた。


「ああ、俺も聞きたいことがあったな」

「そうね、先にあなたは知る権利があるわ」

「まず、なんで再葉はあそこにいる?」

「再葉は、記憶を失っていたの」

「それはわかるが、あのタワーから飛び降りて生身の人間なら即死するだろ」

「そうね、再葉が普通の人間ならば」

「どういう意味だよ?」

俺は思わず怒った口調で言い放つ。


「再葉は、普通ではないのよ。

あなたの周りでも、起きているでしょ。

再葉の周りに起こっていることが、普通ではないことが」

「普通ではない?」

「まあ、一度はあなたの神経を揺さぶっているけどね」

若葉は運転をしながら、不敵に笑って見せた。

そのまま、車は畑から市街地の方に向かっていく。


「神経を揺さぶる?」

「あなたの記憶を消したのよ」

「俺の記憶を消した……まさか」

「そのまさか、あなたは記憶障害が最近あったはずよ」

「あの日も、そうか」

「そう」といった瞬間に、俺は隣の若葉の腕をつかむ。


「若葉さん、どうやって俺の記憶を?」

「運転中よ」若葉の手元が狂い、車が大きく蛇行した。

揺れた瞬間に、俺は若葉の腕を放す。


「ごめん」

「まあ、いいわ。そのカラクリを、話してあげる。

あなたの脳内の記憶の交感神経を操作した。

操作するために、私と接触する必要がったの。覚えている、私とのキスを」

「まさか、あれが……」

「ええ、数時間分の記憶を忘れらせる、私のキスを」

唇に人差し指を合わせて、怪しく誘惑する若葉。

それは、若葉の胸ポケットに口紅が見えていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ