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一年彼女  作者: 葉月 優奈
六話:一年彼女を知る転校生
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076

軍人がいなくなった俺と香音は、再び段差のある土の階段に戻った。

軍人の姿を、何度も確認している香音。

人の気配がないのを見て、上の方をじろじろ見ていた。


「いきましょ」

「ああ、あれはなんだ?」

「香音たちの敵」

「敵?」敵という言葉を、どこかで聞いたことがある。

そうだ、若葉さんがそんなことを言っていたよな。


「敵ってなんだよ?」

「見えたわ、あの社、美来様」

そういいながら急勾配の土の階段を上ると、上には社が見えた。

社の先には、一人の女の子がいた。

長い髪の、白のシャツに赤い長ズボンの女の子。


「美来っ、久しぶりだな」

「お前は……そうか香音から聞いたのだな」

「ああ、ここに再葉がいるんだな」

「そう、いるの」

美来は、静かに頷いた。

再葉と一緒に暮らす女の子、だけどこの美来という子はどこか大人びていた。

まるで香音と同じような、そんな雰囲気さえあった。


「美来様、それで再葉様はどこに?」

「そうね、彼女は隠したの」

「社にですか?」

「社は囮よ、美来は再葉を隠せる場所があるから」

そういいながら林の奥の方に、向かっていく。

美来に言われて俺と香音が、ついていく。


「ここに」それは何気ない地面だ。

少し広い空間だけど、木が立っているだけの林だ。

そんな空間でしゃがみこんだ美来が、穴を掘り始めた。


「穴?」

「ええ、そうですね」

美来が猛スピードで、穴を掘り始めた。

高速で掘り始める美来は、なんだか土木機械のようにも見えた。

だけど、その穴を掘って三分後、一人の人間が土の中から出てきた。


そこには、俺が見たことのある女の子が姿を見せた。

それと同時に、俺は驚くしかなかった。

その土の中からは、再葉が出てきたのだから。



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