075
神社の上から出てきた迷彩服の軍人が二人。
平日の夕方に、こんな場所にいるのは不自然だ。
俺が隠れているのは神社のすぐそばにある茂みの中。
神社に行く途中には林のように木々がこのあたりだけ立っていた。
「あれは……サバゲーかなんか?」
「実銃よ」俺の隣で同じように潜む香音は、軍人を見ながら答える。
俺たちが隠れているのは、軍人からはわからないらしい。
「実弾って、それが本当なら」
「静かにして」
俺の口を、素早く抑える香音。
なんだろう、前にもこんなことがあるような気がする。
「いたか?」
「いや」なんだか、二人して何かを探しているようだ。
「しかし、人使いが荒いよな」
「まあ、仕方ないさ。この仕事は金だけはいいからな」
「全くだ、金が悪ければこんな仕事はしないっての」
「だけど、あんなことをするとは非人道的だよな」
「噂だと、抹殺されるとか」
「マジか……」
軍人の二人組が、何やら物騒な話をしている。
なんだか、その言葉を聞いていると怖ささえあった。
ゲームの中でしか使われない言葉が、次々と出てくる。
「だけど、ここにもいないか。例の女は」
「まあ、そうだな。ほかにも神社がある。
さっさと調査しないといけないからな」
「ボス怖いからな……とにかくさっさと行こうぜ」
「ええ」
二人組の軍人は、最後まで俺らに気づかれることなく立ち去って行った。
俺は香音と息を殺して、ずっと見守っていた。




