069
あれから二日後の朝。俺は教室にいた。
若葉の手がかりは、あれから何もない。
たまに隣町、磐田に現れるらしいがそれ以外の情報は何もなかった。
もちろん、再葉の行方も分からない。
俺は、クラスにいた飛鳥と話していた。
「でね、でね……先輩がおかしいの」
「そうか」
「なんか、元気ないねケンタ」
「そうか?」
俺は二度目の言葉で、飛鳥が俺の頬を引っ張った。
「な、なにを……しゅる?」
「ケンタ、元気ない」
「ああ、わるい。いろいろ不幸があって……な」
「まあ、わかるけどね。でも、ちゃんとご飯は食べないとだめだよ。
朝食、食べてきていないでしょ」
「いや、普通に食べてきたよ」
俺の言葉に、ほほを引っ張った手を離す。
「じゃあさ、なんで疲れた顔をするの?」
「あまり寝ていないんだ、ごめんな」
「寝不足?それはダメだね。でも私は怖くて最近は早く眠るけどね」
「どうして?」
「近頃、不審者がこの周辺にいるらしい」
「まさか……」
俺は話半分聞いていたが、飛鳥の様子がおかしい。
なんだか、震えているようにも見えた。
「飛鳥?」
「怖いの」
「飛鳥が、意外だな」
「ボクだって怖いものがあるよ」
「そうか、そうだよな」
「なに、その目」
不信がった眼を見せた飛鳥だが、俺の手をつかんだまま離さない。
それにしても不審者情報か、俺も情報が入っている。
「ミリタリーすきのサバゲー好きな男じゃないのか?
このあたりは、自衛隊の基地とかもないし」」
「不審者はいや」
「何かあったのか?」
「ううん、大したことじゃないの」
「その怯えようは、異常だぞ」
「そう、かな、えへへ」
なぜか、無邪気な笑顔を見せた。
だけど、俺は飛鳥の影を見ていた。
いつも明るく元気で前向きな飛鳥。
俺は、俺の知らない飛鳥がいる。
「はい、席につけ」
そんな時、俺の教室に突然担任が入ってきた。
それは、始業開始の鐘が鳴る前に突然担任教師が現れて教室が驚きに包まれていた。




