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一年彼女  作者: 葉月 優奈
五話:一年彼女のいない世界
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ショートツインテールの香音は、再葉の親友だ。

俺の知らない再葉も、香音は知っている。

そんな香音は、俺が近づくとすぐに逃げる。

再葉がいなくなったあの日から、どこかよそよそしい。


そんな俺は、夕方になって隣町の住宅街にいた。

ここは、磐田の市街地だ。掛川の隣にある町。

バスに乗って、ここまでやってきていた。


「ねえ、本当につけるの?」

「ああ」

俺の隣には、響もいた。

放課後になって、響がなぜか俺につけていた。

電柱に隠れて、俺は香音を尾行していた。

制服の香音は、ぼんやりと歩いている。


「香音は、俺を避けているからな」

「だからといって、こんなことして」

「俺は再葉のことと同じように、香音のこともわからないんだ」

「どういうこと?」

「俺は一度、記憶障害になった。

その時、香音と再葉と若葉がそこにいたのだけど……この三人は俺に何か秘密を隠している。

再葉と付き合っている時は、そこまで考えなかったが。

香音は、何かを知っていると思うんだ。

あの再葉が、急に飛び降りたりしない」

「その話、本当なの?」

響も、どうやら深刻な顔を見せていた。


俺は、知っていること、思い出したこと全てを話した。

この前のデートのことも、話している。

そんな香音は、曲がり角を右に曲がっていた。俺と響は電柱伝いにつけていく。


「それを確認したい。俺は目で見たことも理解できない。

香音が、俺にとって最後の希望だから」

「わかった、あたしもつき合う」

「本当にいいのか?」

「うん!あんなケンを、見ていられないから」

「そうか、助かる」

俺は響を、拒む理由はない。

正直、自分一人では理解におぼつかない部分もあるだろう。

それだけ再葉や香音の裏にある闇が、何かとんでもないもののように思えたからだ。


「あ、あのアパート……」

「ああ、行くぞ」

そんな俺の目の前では、二階建てのアパートに入っていく香音の姿が見えた。



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