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一年彼女  作者: 葉月 優奈
四話:一年彼女の最後の日
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恵理那の言う通り、再葉は観覧車乗り場にいた。

夕方から夜、閉園時間が近づく中で俺は再葉を見つけた。

再葉が目の間に出てきた瞬間、恵理那はすでに俺から静かに離れていく。

まるで、人影に隠れるかのように恵理那はいなくなっていた。


「再葉っ!」

「健斗、私は……」

「ごめんな、あの時は」

「ううん、いいの。悪いのは私だから」

「コースターは、結局乗れなかったな」

そんな再葉が見ているのは、観覧車だ。

大きな観覧車が、きれいにライトアップされていた。

当然のことながら、行列も続いていた。


「乗るか?最後に」

「うん」俺と再葉は、迷うことなく行列に並んでいた。

その行列は、ジェットコースターよりずっと短い。

ただ、並んでいるのは男女ばかりだ。

男や女一人で並ぶと、浮いてしまうほどだ。


「観覧車は、運命になかったものですね」

メモをちらりと見て、俺に答えていた。


「ああ、たまにはそういう外れたのもいいだろ」

「そうですね」笑っている姿が、かわいく見えた再葉。

なんだか再葉が、少しほどけて楽にしているように見えた。


「今日のデート、あまり一緒に入れなかったけど楽しかったか?」

「うん」

「そうか、それはよかった。俺はもっと遊びたかったな」

「私もです、健斗」

「なんだろうな、もう終わっちまうんだよな。一年彼女」

「はい。六月になったら私は、あなたと別れます」

「本当にそうなのか?」

俺は再葉に、自分の感情を告げていた。

いつの間にか、俺は再葉が気になって再葉中心の生活に変わっていた。

だからこそ、再葉との時間を大切にしたい。

もっと、再葉と一緒にいたいのかもしれない。最近はそう思えた。


「とりあえず手を、つなぐか」

「はい」俺は再葉と手をつないだ。

周りに並ぶカップルと同じように、俺は再葉と手をつないでいた。


「私、高いところが好きなのです」

「なんでだ?」

「高いところから見る景色は、とてもきれいですから」

「まあ、な」

「だから、最後のデートの場所は決めています」

「え?」

「日本で一番高い場所に」

そういいながら、再葉は二枚のチケットを見せてきた。

そのチケットを見せた再葉は、真剣な顔で俺を見ていた。



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