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一年彼女  作者: 葉月 優奈
四話:一年彼女の最後の日
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初詣から一か月以上が過ぎたこの日、俺はいつも通り家のリビングにいた。

朝の通学準備の時間は、とにかく忙しい。

俺も、制服に着替えて用意された朝食を食べにテーブルに向かう。

だけど、そこには先客がいた。


「遅いぞ、健斗」そこにいたのは、小さな体の女の子。

「なんで、美来がここにいるんだ?」

「昨日、若葉が来ただろ。再葉は夜に出かけるって」

「ああ、そうだったな」

最近は、我が家も若葉さんの託児所代わりになっているのだろうか。

まあ、若葉さんの家は最上階でそちらの方がよほど安全だと思うのだが。


「それよりも、お前は女子と仲がいいのだろ」

「ま、まあ」

「再葉が泣いていたぞ」

「再葉が?まあ、俺が女子と仲がいいからな」

「彼女がいるのだから、あまりほかの女子と親しくしないでよね」

「ああ、なんか悪い」

五歳児に怒られる、高校一年の俺。

ただ何となく、美来のたたずまいが五歳児ではない。

落ち着いているし、精神年齢は俺よりも上のような気さえした。

そんな中でも、俺は朝食の食パンを食べていた。


「まあ、今日はチョコレートの日だからな」

「チョコレートの日?ああ、バレンタインか。

今日の再葉は、学校に来られるのか?」

「来るだろう、運命通りならば」

「運命ねぇ」

いつも運命という言葉に、再葉は縛られている気がする。

再葉はメモを持っていて、デートごとに運命という。

行く場所も、行く時間も運命ですべて片付いている。


「健斗は、去年いくつもらった?」

「去年か?受験生だったからな、三つか」

「ほうほう、プレーボーイも少ないな」

「だからプレーボーイじゃないって。

この三つだって、全員姉からだし。『受験がんばれ』のメッセージ付きで」

「そうか、つまらん」

勝手につまらなそうにする美来。

随分と気楽な立場だな、美来は。


「それでも、今年はもらえる数は増えそうだろ。

今回は、いくつを予測している?」

「さあな、義理ばっかじゃない。彼女を公認しているわけだし」

「そうか、再葉への気持ちはどうだ?」

「再葉への気持ち?」

「そう、再葉をどう思う?感情は変わったか?」

美来の言葉に、俺は首をひねっていた。



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