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一年彼女  作者: 葉月 優奈
四話:一年彼女の最後の日
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再葉には、否定的な意見が多い。

特に響は、再葉をいじめていた経緯がある。

誰かがいじめると、周りは助長する傾向がある。

中学の頃は、まさにそうだった。


環境が変わって、高校に進学した再葉。

それでも再葉は、いつも香音と二人きりだ。

その香音だって、クラスで一番力のある恵理那に喧嘩を売る始末だ。

だからこそ、俺は気になっていたのだ。周りの、俺の彼女に対する反応を。


「シジーは悪い子じゃないと思う」

「そうか」

「いつも一人でいるから、暗いイメージがあるけど」

「まあ、それは否定しない」

同じクラスに香音はいない。

再葉にとって心許せる数少ない、いや唯一の人間。


「ありがとな、そう言ってくれて」

「うん、ボクは悪い人はいないともう」

「相変わらずピュアだな」

「だって、悪い人は生まれてこないから」

「世の中には犯罪や戦争、いろんな悪いことがあるのに?」

「それでも、生まれたての赤ん坊はそうじゃないから」

飛鳥は、どこまでもまっすぐでピュアだ。

飛鳥はわかる、隠し事がない。素直で、思ったことを正直に言うのは飛鳥だ。

高校からの付き合いだけど、それはよく伝わってきた。


「まあ、そうなんだけどな」

「这里是神社吗?」

そんな中、目が細い一人の女が社務所にやってきた。

その女は、少しオーラが違う。なぜか黒いチャイナ服を着ていた。


「中国の人ですか?」対応する飛鳥が、困った顔を見せた。

「日本語、大丈夫よ」

「ああ、それなら」

「この神社に彤弓はないの?」

「え?」

俺は一瞬、彤弓という単語が出てきて驚いた顔になった。

だけど、俺の顔にその中国語の女は気づいていない。


「なに?トウキュウ?デパートかなにか?」

「私たちの家から持ち出したもの、泥棒」

「さあ、見ませんが。それより破魔矢を買いませんか?」

飛鳥が、笑顔で接客をしていた。

怖くなった俺はその切れ目で、ショートボブの中国語の女から視線をそらしていた。



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