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一年彼女  作者: 葉月 優奈
四話:一年彼女の最後の日
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季節は、進み冬になっていた。

寒さが身に染みるこの季節、俺が住んでいる掛川にはあまり雪が降らない。


今日のデートは、俺の家だ。

最も、再葉のいるマンションと同じでフロアだけが違う。

それにこのデートは、俺が初めてのことを試す日でもある。


「今日もデートですね」

「ああ、そうだな」

俺の部屋にいる、彼女になった再葉。

再葉との会話も、今は彼女らしい。お互いのことを理解してきている証拠だ。


だけど、まだ俺は彼女の秘密を知らないでいた。

俺が再葉の秘密に触れられるのは、いつになるのだろうか。

それも、今日がその秘密を知る第一歩なのかもしれない。


「何もないんですか?」

そこはシンプルで、男の部屋があった。

ベッドと机、ポスターは車だ。

ごく普通の男子高校生の部屋だ、好きなアイドルとかもいない。


「なんか、男の部屋って感じですね」

「ああ、そうだな。大体、部屋ではDVDを見るぐらいかな」

「DVD?」俺の部屋にはテレビがある。

「そうだよ、エロいのじゃないぞ」

「ふーん、どうだか?」

はっきり言って、再葉は全然信用していない。

そういう会話も、なんだか本物の彼女っぽいな。


「でも、いいの?夜遅いと」

「大丈夫、理解している。俺も再葉のことが知りたいんだ」

「ねえ、健斗は私の真実を知って、どうするの?」

「そうだな、当然だろ」

俺は再葉を純粋に知りたい。

この俺と再葉の関係は、一年間限定だ。

それでも、俺は付き合うからには相手をちゃんと理解したい。

お互いを理解しないと、相手にも失礼だ。


それに俺も最近は、再葉のことを気にかけるようになっていた。

純粋にかわいいし、女性としては魅力的だ。

今まで女友達は何人もいるけど、再葉はそのどれとも違う雰囲気がある。

なんというか、一生懸命生きているそんな気がしていた。


「ありがと、健斗」

「当たり前だろ、俺は彼氏なんだぜ」

そういう言葉も、今は全く抵抗がない。


「それに今日は……」

「ううっ……」そんな再葉は胸を押さえて、苦しみだしていた。

俺は、そんな再葉の姿を知っている。

再葉の目が、赤く光っているのが見えた。

だけど、俺は知っていた。


「再葉、発作か?」

「ううっ、私……」

「待っていろ、今!」俺は部屋の壁に掛けてある弓を取り出した。

それは、かつて若葉が持っていた大きな弓。彤弓(とうきゅう)といわれた弓だ。

矢のない弓を、俺は再葉に向けて構えていた。


(こうやって、弓の弦を引くよな。あとは心を落ち着かせて)

俺は矢のない弓を、再葉に向けて引く。

構えただけで、矢が現れた。その矢を、俺は放つ。

放たれた矢が、一直線上に再葉の胸を貫いた。



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