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一年彼女  作者: 葉月 優奈
三話:一年彼女を狙う者
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修学旅行でも、俺は一緒になっていた女子だ。

それは、響だ。同じバイト先で、俺がよく知っている女。

寒いのか、コートを着ている響はやはり再葉を見ていた。


「ケン……なんで?」

「それは俺のセリフだよ。俺たちを覗いていたのか?」

「そうよ、ケンが心配だから」

響は、困った顔で俺に詰め寄った。

それでも、俺は首を横に振る。


「再葉は、何もしていない!」

「嘘よ!」響が否定する。そのまま、響が再葉の元を詰め寄ってきた。

その響に対して、再葉は冷静な顔を見せていた。


「あなたは変わらないですね」

「ええ、あなたもよ。再葉」

腕を組んで睨む響。響ははっきり再葉が嫌いなようだ。

険しい顔で、背の高い響が再葉を見下ろす。


「どうして、あなたも同じ学校にいるの?

なんで、あたしの前に現れるの?よりにもよってケンの前に」

「健斗は……私の彼氏」

そういった瞬間に、響が再葉の制服の襟をつかむ。


「そういうところが、一番ムカつくのよ。

あなたの空気を読まないそういうところが、大嫌いっ!」

「私は……」

「あなたは、やっぱりこんなところにいちゃいけないのよ!」

「健斗が好きです」

怒る響きの前で、再葉ははっきり言い放った。


「再葉……あんた」

「私の気持ちは変わらない」

「こいつ……」襟をつかんだまま、手を挙げる響。


「おい、やめないか?」俺は割って入ろうとする。

「やめるつもりはないわよ」

「松原さん、手を離してくれませんか?」

そんな響に再葉が、言い返していた。

それを聞いた瞬間、響が激高する。顔が赤くなって手を振り下ろした。

そのまま、響は再葉の顔を殴った。バチンという乾いた音が、薄暗い公園に響く。


「あんたはね……そういうところが」

「嫉妬ですか?」

「そうじゃない、そうじゃないけど……」

「だけど、手を離さないとここで全員死ぬ」

「はあ?何を……」

再葉の変な言葉に、響が眉をひそめた。

だけど、俺は何かを感じた。それは悪寒のようなピリついた空気。

それを感じたのは、俺たちの真上だ。上から人が一人飛び降りてきた。


「上?」

「そう」だけど、次の瞬間響に襟元が捕まれた再葉の姿がなかった。

目にも止まらない速さで、再葉は飛び上がっていた。



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