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一年彼女  作者: 葉月 優奈
二話:一年彼女と愛の定義
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体育祭は、三時半に終了した。

終わればすぐに、片付けが始まる。

テントを畳む作業を、俺は黙々と続けていた。

片付けは、クラスの人間も手伝ってくれる。俺は主に指揮をしていればいい。


「そっち頼むな、田中。えりちょー一人じゃ大変だから」

男子にも、普通に俺は指示を出す。

周りを見回しながら、クラスメイトに指示を出していく。


「あの……本郷君」

「再葉か、もう帰っていいぞ」

俺は、そんな中でも再葉を休ませていた。

足や腕に包帯のある再葉に、変な仕事を与えられない。俺なりの配慮だ。


「でも……私」

「俺に、そのけがを隠していただろ」

「……ごめんなさい」

再葉は元気なく謝った。

不安そうな顔で、俺の方を見上げていた。


「謝らなくていい、それに、こっちの仕事は少ないし」

周りを見ながら、俺はそばに来ていた再葉。


「でも……私は動けますし」

「帰れよ」俺は強く言い放った。

それを聞いて、再葉は深刻な顔に変わっていた。


「なんでそんな声で言うの?」

「あ、再葉……そういう意味じゃなくて」

「私は……みんなと」

「ああ、ごめん。怒ってしまって」

俺は、すぐに謝ったが再葉の不安な顔が変わらない。


そんな再葉に、俺は肩に手を伸ばした。

周りを見ながら、俺は再葉を抱き寄せる。

そんなものを働く周りが見せられて、ザワザワとしていた。


「俺は心配なんだよ。あのときのいじめか?新しいいじめか」

「違います」

「じゃあ、なんだ?」

「私がいけないんです」

「あれ、シジー」そんな呼び方で出てきたのは、走って俺と再葉に近づいてきた。

足の速さから言って、猛スピードでやってきたのは飛鳥だ。


「飛鳥、なんだよシジーって?」

「四十万 再葉だよね?ケンタの彼女さん」

「え、ええ」

速く走って、息切れもしない飛鳥が再葉の方に顔をのぞかせた。

驚いた再葉は、飛鳥が人懐っこい犬のように再葉を見ていた。

じろじろ見ていた飛鳥が、すぐに体操服の再葉に気づいた。


「でも、すごいケガだよね」

「うん、やっ!」すぐに飛鳥が再葉の左腕や足を触ってきた。


「筋肉が痛がっている」

「え、あの……用宗さん」

再葉も飛鳥のことを知っているようだ、まあクラスメイトだし。有名人だから。

それでも、再葉の体をベタベタと障ってくる飛鳥。

飛鳥がやっていること、男がやれば完全にセクハラだよな。

ほほを赤くして、再葉が困っている顔を見せていた。


「ちょ、ちょっとやめてください」

「うーん、なんか筋肉が死んでいるよね」

「え?そうですか?」

「うん、ボクはわかるんだ。一応陸上をやっているから、その筋肉がどうなのかわかるよ」

どういう意味かよくわからないが、用宗は何かを感じたようだ。


「このケガ、普通じゃないよね」

「ああっ!」飛鳥が、再葉の包帯の巻かれた右肩をつかむ。

両目をつぶって、再葉が飛鳥の手を左手で払った。


「じゃあ、そのケガはなんなんだ?」

俺は、再葉の前に立って聞き返していた。



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