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一年彼女  作者: 葉月 優奈
二話:一年彼女と愛の定義
23/161

023

あれから七日後、俺は学校のグラウンドにいた。

それは静かな朝、この日のグラウンドにはテントがいくつもたてられていた。

体操着に着替えた俺は、ラインカーで線を引きながら歩いていた。


(結構、これは重労働だよな)

俺は体育祭実行委員だ。クラスの中で、この役目に選ばれた。

体育祭の当日、ラインを引くのが俺の仕事。

朝が早くて、かなり眠いのだが。それにしても、まだ少し肌寒い。


周りには、ほかのクラスの委員が準備をしていた。

そんな俺のところに一人の、女子がやってきた。


「ライン引きはどう?」体操着姿の委員長、恵理那だ。

眼鏡をかけていて知的な雰囲気の恵理那だが、胸が大きくて体操着からもそれが確認できた。


「順調だ」

「そう、それはいいことだわ」

「えりちょーは、早朝からなんか仕事か?」

「私は体育祭委員の監視が仕事だから」

なぜか、いたずらっぽく笑っていた。


「それはそれは、嫌な仕事だ」

「あら、本郷君はよくさぼるから」

「バイトもあるしな」

「彼女もいるから、でしょ」

やはり恵理那は、この前のことを根に持っているようだ。

あの後から、体育祭の仕事のたびに姿を見せるようになっていた。


「まあ、そうだな」

「四十万さんって、結構かわいいいよね」

「ああ、そうだな」

ライン引きを続けながら、俺は恵理那の話を聞いていた。

少ししつこい恵理那を引き離そうと、歩く速度を上げていた。


「だけど、あの子は一人ボッチよね。クラスだと」

「まあ、そうだな」

「だから本郷君が、彼女を支えてくれたんだね」

「再葉は弱くない」

俺は歩きながらも、恵理那の話を聞いてくる。

恵理那は、それでも俺についてきていた。


「まあ、そうよね。あんな四十万さん、初めて見たし」

「そうだな」

クラスの人間から、そう見えるのだろう。

再葉は、クラスの人間とほとんど話さないからな。

そうこうしているうちに、俺はライン引きを終えた。


「よし、終わった」

「ご苦労様」用意のいい恵理那は、俺にすかさずタオルを手渡した。

俺のそばに来ていた恵理那は、やはり大きな胸を見せつけるかのようだ。


「ああ、ありがと」すぐにタオルを受け取る俺。

「そろそろ終わり?」

「あっちのラインも……ほかのクラスが引いたか。ん?」

周りを見回す中、俺は一人の人間が校舎の影に隠れているのが見えた。

その人が、俺らを見ているようだった。だけどその大きさは小さい。


「誰かいるぞ」

「え?誰?」

「ちょっと行ってくる」

俺はタオルとラインカーを恵理那に手渡した。

そのまま、俺は校舎の方に駆け寄っていた。


「ちゃんと、片付けなさいっ!」

恵理那は背中を向けた俺に、顔を真っ赤にして怒っていた。



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