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一年彼女  作者: 葉月 優奈
『一年彼女』投稿23
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(HIBIKI’S EYES)

モールのFF店を出たのはバイトが終わってからだ。

あたしは、いつも通りバイトの服から学生服に着替えていた。

静かなモールは、健太と一緒に帰ったことが多い。

だけど、今日は違っていた。


「なぜ、あなたがいるの?」

「香音は、おいしかったです」

それは香音だ、再葉の友人で転校生だ。

幼い顔で、年齢よりもずっと幼く見える。


「ハンバーガー、気に入ったのね」

「はい、香音は大食いですから」

「そう」あたしは、健斗と彼女の家を突き止めた。

それは再葉のことを知りたがる、健斗と私の罪を精算するため。

健斗は、そのあとあたしに謝る機会を与えてくれた。


「あなたにも、一応感謝するわ」

「ならば、ハンバーガーの引換券を」

「あげないわよ」あたしは突っぱねて否定した。


「こういうのは、お客に親切にしてですね……」

「はいはい、ありがとうございます」

「でも、あなたが本当に謝るとは思わなかったわ」

香音は、いきなり再葉の話をしてきた。

それは少し以外でも、あたしは落ち着いていた。


「あたしは、止められなかったのよ。

あそこで再葉をいじめないと、あたしがいじめられる。

健斗や知り合いの友達が、三年になって離れて……申し訳ないとおもっているわ」

あたしは、しんみりとした顔を見せる。

すると、隣を歩いていた香音があたしの方に手を伸ばしてきた。


「ちょっとなによ……」

「いい子いい子」頭をなでてきた香音。

「あたしの方が、ずっと背は高いでしょ」

慎重差二十センチ、あたしの方が大きい。

しかも、その小さい香音が懸命にあたしの頭をなでようとする。

彼女のやる気だけが、あたしに伝わってきた。


「ありがと、もう大丈夫。

再葉に謝れたし、あなたにも感謝しないとね」

「では、ハンバーガー引換券を」

「それはダメ」そういうと、香音は膨れた顔を見せていた。

そのままあたしは、香音と一緒に静かなモールを歩いていた。



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