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一年彼女  作者: 葉月 優奈
『一年彼女』投稿23
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アナウンスがあってから十五分後、再びスーツに着替えた私は再葉と一緒にいた。

第二実験室は、奥に寝そべって検査する機械も見えた。

いくつものモニター席があり、オペレーターも多い。

白衣を着た人間と、鼠色のスーツの男が待ち構えていた。


「丁様」鼠色のスーツの男は、丁だ。

この雲吞の生みの親であり、オーナーだ。

「ああ、君らにはある実験を行う。

今度の実験は、とても負担の大きいものだ」

「どんな実験を、するのですか?」

「耐性テストだ」

というわけで、私は機械の中にすでに入っていた。

機械の中は、薄暗い。狭くて闇が目の前に広がっていた。


「ここは」

スーツ姿の私には、よくわからない電線がいくつもついている。

私の体から、すでに微弱の電流が流れていた。


「再葉、そっちにいるの?」

計器には、私以外にも再葉がいた。

再葉も隣でつながれていた。実験はどうやら私と再葉の同時進行らしい。


「これからしばらくは、機械から有毒なガスが流れる。

身の危険を判定したら、速やかに右指のボタンを押せ」

「わかった」

「では開始する、耐性テストだ」

密封された頭の中に、ガスが充満した。

そのガスは、甘い匂いだ。だけど、それは毒だとすぐに分かった。


(苦しい……)

五秒もしないうちに、私は呼吸が苦しくなる。

息を吐くのが難しい、まるで忘れてしまったかのようだ。


それでも指に手をかけようとしたが、動かない。

(なぜ、私の頭は指示を出しているのに)

その毒は、かなり体を蝕んでいた。

私の体は、想像以上に動いていない。


(しびれ……この感覚)

意識が、だんだん失われていく。

だけど、ガスが止まる気配はない。


「大丈夫か?データ値、芙蓉の方が落ちているぞ」

「もしかして中で……」

「まだ返答もない、実験を続けろ!

この数値で根を上げるようでは、使える不死者ではない」

最後の声は丁だ。研究員となにか揉めているのだろうか。

だけどそのかすかな声に、私は返事できない。


(口さえも、動かない)

まさに、自分は体が動かない。

それでありながら苦しみが続く、呼吸ができない。


(不死なのに、私は死ぬの?)

私はその辛さを、感じていた。感じても表激できない。

体が動かない、時間が慣れていく。

そんな時だった。外が騒がしくなったのは。


「おい、再葉。勝手に実験を」

だけど次の瞬間、私の前が明るくなった。


「芙蓉、大丈夫」

それは再葉が、私の機械を壊していたからだった――



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