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(NAKAMOTO’S EYES)
――それは私の居場所だ。
ここは、森の中。黄色いボディスーツを着た私は、向かい合っていた。
相手は再葉、私と同じようにピンク色のボディスーツを着ていた。
空手の型のように、私は身構える。
「続けろ」私の頭にはインカムがあった。
そこから指示が、渋い男の声で聞こえてくる。
それを聞いて、私は走り出した。
そのまま再葉の方に飛び込む。私の渾身の右手で突きを繰り出した。
だけど、華麗に再葉が後ろに下がる。
それでも、私は次々と再葉に媚び死を繰り出していく。
それでも再葉は、華麗によけていた。
簡単によける再葉に、私は焦りの顔を見せていた。
(やはり、早い)
最後の回し蹴りも、簡単によけていた再葉。
私は呼吸を乱し、再葉を赤い目で睨む。
私と同じ赤い目の再葉は、全く動じている様子はない。
(これなら……)
そういいながら、私はバックステップ。
後ろに下がったのを、再葉は冷静に見ていた。
そんな私の背中には、木が立っている。太い木の幹に右足を蹴りだして、前に突き出した。
そのまま、再葉にめがけて左の蹴りを繰り出す。
だけど、再葉は動くこともなくそのまま私の左足をつかんだ。
「うああっ!」私は悲鳴を上げた。
再葉は私の左足をつかんだまま、離さなかったからだ。
私の体は、浮いたまま。だけど、左足を握りつぶそうとする。
骨が、絞られるようで痛い。足に激痛が走る。
それでも、再葉はずっと私の足を握ったまま立っている。
(強い……桁違い……)
右手で殴ろうとするが、再葉に簡単によけられる。
攻撃も、全く当たらない。まるで子供相手だ。
(いつもそうだ、再葉は強い)
それから約一分後に「やめ」とインカムから声が聞こえるまで、私は再葉に左足をつかまれたままだった。




