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若葉との話をした後、俺は再葉の部屋に入る。
ベッドの上にいた再葉は、思った以上に顔色がよかった。
だけど、再葉には時間がない。
彼女の体はボロボロだ。
「おはよう、健斗」
「ああ、おはよう」俺は再葉に挨拶をした。
再葉が倒れて以来の、再会になった。
「今日は大丈夫か?」
「はい、健斗に会えてよかったです」
「そうか」
「私はずっと、考えていました。
なんで、こんなに健斗が優しいのかを」
ベッドの上で、うつむいている再葉。
「私は、健斗に何も与えていない。
そればかりは、何度も迷惑をかけている。
そんな私は、まだ化け物で……人ではない」
「それでも再葉は再葉だ!」
「だけど……」
「俺は再葉に助けられた。
それだけじゃない、記憶がないだけかもしれないけど俺はいろんなものを再葉から得た」
俺はベッドのそばにいる、再葉のそばでしゃがむ。
「だから、今度は俺の番だ」
「健斗……」
「もう一度、一年彼女になってくれないか」
「一年彼女……頭が」
頭を抱える再葉、激しい頭痛をしている再葉。
それでも俺は、苦しむ再葉を見ていた。
「それは、再葉が俺に言った言葉だ」
そういいながら、俺は再葉の持っていたメモ帳を見せてきた。
「それは、私の運命」
だけどベッドの上で体を起こす再葉に、俺は手を伸ばした。
「ああ、一緒に行こう。再葉」
俺は再葉を引き上げていた。
狭いベッドの上から、再葉が俺に引っ張られて立ち上がっていた。
「どこにいるの?」
「まずは俺に家に、行こう」それは俺が用意した、俺専用のメモ帳だった。




