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一年彼女  作者: 葉月 優奈
十一話:一年彼女が死ぬ運命
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それから二時間後、俺は病院に来ていた。

香音と一緒に、病院の中に入る。

そのまま、通されたのは重病用の病室だ。

俺は香音と一緒に通された、その病室に美来がいた。


「美来……」

「美来様、ご無事ですか?」

俺と香音は、同じように声をかけた。

だけど、いつも元気で小生意気な美来はおとなしい。


「うん」返事もそっけない。

「しおらしいな、美来。らしくないぞ」

「いいでしょ」

「助けてくれて、ありがとな。

俺のせいで、こんな目になってしまって」

「いいの、美来はそれが仕事だから」

「なんで割り切れるんだよ!」

病人の美来のそばで、俺は思わず憤った。


香音もそうだ、美来もそうだ。

俺は確かに弱いかもしれない、普通の人間だ。

だけど、何でも仕事という言葉で片付けていいわけがない。


「ごめん、悪かった」

「面白い価値観ね、健斗は。

ううん、自由ってそういうことなのかもしれない」

「俺は世界がどうとか、何も知らない。

未来や香音よりも、ずっと甘えた場所で暮らしてきた。

でも、そんな二人が素直に俺はかわいそうだと思う」

「そっか、そうなのね」

心なしか、美来の顔が明るくなったような気がした。

それを見て、俺もほっとした顔を見せた。


「だから、再葉が好きになったのね。理解した」

「ああ、そうだぞ。俺は……」

「再葉の彼氏だからな」

俺の決めセリフを、横取りしてきた香音。

その香音の表情も、少し和らいでいるようにも見えた。


「こら、香音!」

「こうして言っていると、ダサいセリフね」

「お前が言うな!」

俺は香音を、突っ込んでいた。

意外と香音は、普通に笑えるじゃないか。

不愛想な香音が見せる笑顔は、普通の女子高生にしか見えなかった。


「ありがと、だいぶ明るくなれたわ。

それじゃあ、本題に入るんでしょ。健斗」

それは未来が、俺に問いただすことだった。

俺は迷うことなく、美来にある質問をしていた。



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