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翌朝、俺はカフェに来ていた。
家に帰らず、そのままこのカフェに来ていた。
そのカフェは、サラリーマンが多くいた。
財布の状況は少し厳しいが、俺はジュースを飲んでいた。
「再葉の様子は、その後どう?」
俺の前には、香音がいる。香音は、やはり制服姿で俺の前にいた。
「ああ、体調がよくならない」
「そうね、彼女は負担が大きいから」
「香音」
「なに?」
「香音は、雲吞にいたわけじゃないのか?」
「香音は、初めからユズリハです」
淡々と答える香音だ。
落ち着いた顔で香音は、ずっとサンドイッチを食べている。
「結構、食うんだな」
「育ち盛りです」
「その割には、クラスで一番背が低いけどな」
「育ち盛りですから」
香音は、とても小さい。
流石に五歳で成長が止まった美来よりは、年上だけど幼くは見える。
中学生……いや小学生と言われても違和感ないだろう。
「香音の仕事ってなんだ?」
「基本的には、かわいそうな子の救済です」
「かわいそうな子?」
「ええ、ユズリハは初めからそうです。
国家事業ですからね、元は児童相談所ですし。
ただ、それが専門になっただけです。昨日、若葉さんから聞いていませんか?」
香音は、サンドイッチを軽々と平らげていた。
「まあ、そうだけど。それより本題に入る」
「再葉のことよね?」
「ああ、それと香音。お前のことでもある」
俺はじっと香音を見ていた。
香音は俺と向き合いながら、メニューに手を伸ばす。
「香音と再葉は、どんな関係だ?」
それは俺が、一番聞きたかったことでもあった。




