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若葉と俺は、話を続けていた。
再葉の容態は、安定してきたようだ。静かに寝息を立てている。
「もう、時間逆流はないのですね?」
「ええ、この時間……夜の十一時」
「再葉は、普通の人間だよ。どこにでもいる普通の女子高生。
これから、人並みに恋をして、勉強もして、幸せになる権利がある」
俺は、眠っている再葉を見ていた。
「それは、彼女も望んでいたの」
「だからあの爆弾か?」
理解している、タワーから飛び降りた再葉。
彼女は爆発した。リセットは成功したがその代価は大きかった。
「爆弾のことも調べた。もとは雲吞が作ったものだな」
「ええ、あの爆弾は雲吞製よ。
もちろん、この情報も盗んだのだけど」
「いろいろ雲吞から、奪ったんだな」
「そうしなければならなかった」
「ユズリハはそうなのか?」
「ユズリハの元は、児童相談所よ。
児童の虐待をするのが主、そもそもこれは公共事業だから」
「そうなのか」よくわからないが、そんな話のようだ。
だけど、そんなことはどうでもいい。
「再葉を救う方法だけど……」
「香音にも、今頼んでいるから」
「そうか」
「だけど、再葉を連れ出すのはなるべく控えた方がいいわね」
「え?」そんな俺は、首をかしげていた。
「時間が経つと彼女の体力が、だんだん衰えているから」
それは、再葉が疲れた顔を見せて体を起こしていた。




