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一年彼女  作者: 葉月 優奈
十話:一年彼女の運命の時
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モールから戻った俺は、そのまま再葉のアパートに向っていた。

再葉の家に着くと、俺はすぐさま風呂に入れさせられた。

学校指定のジャージを持って出てきた俺は、それに着替えていた。


今、俺は再葉の部屋だ。

引っ越しをしたばかりなのか、物はあまりない。

家具も組み立て式のベッドとタンスぐらい。机もテーブルもない。

カーペットが敷かれた部屋で、再葉はちょこんとクッションの上に腰かけていた。


「だいぶ、臭くなくなった」

「そんなに俺は、匂っていたのか」

「うん」再葉は、真顔で言う。


「やっぱり消臭スプレー、持ってくればよかったな」

「健斗のにおいじゃないから」

「わかるのか?」

「健斗はわかる」

「犬みたいだな」

「そう?」再葉は、意に返さないようだ。

この部屋には俺と再葉しかいない。

夜八時に眠る未来は、まさに子供だ。美来には時間逆流が起こらない。


「今日は、泊まっていくの?」

「再葉の記憶が戻るまで、俺は泊まる。その決意はしてきた」

「言ってしまえば、ズル休みですね」

「お前が言うなよ」

「そう、ですか?」首をかしげる再葉。

思えば、再葉との初デートは学校のズル休みで浜名湖に行ったことが始まりだ。

それを求めたのは再葉……ではなく運命だけど。


「それでも、俺は再葉に戻ってきてほしい」

「ありがと」

「感謝するのは、俺の方だ。

俺を、いつもと違う日常に導いてくれて」

俺の感謝の言葉に、再葉はじっと見ていた。


「再葉の彼氏になってから、俺は日常が楽しくなった。

いつも何気なく流れる時間が、楽しかった。

その中で、再葉に対する感情がより強くなった。

こいつを、守ってやらないとな。だから……」そんな再葉に対して、俺は迫る。

ぼんやりしていた再葉は、不意を突かれて後ろにのけぞる。

その再葉の両肩に手をついて、俺は再葉の上にいた。


「再葉、俺を見てほしい」

四つん這いになった俺は、初めて再葉を見ていた。

それを見て、再葉の顔が少し赤くなっていた。



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