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一年彼女  作者: 葉月 優奈
十話:一年彼女の運命の時
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それから三時間後、俺は再葉を呼んでいた。

再葉を呼んで、歩いているのがショッピングモール。

俺の隣にいる再葉は、涼しそうな水色のワンピースを着ている。

長い髪をなびかせて、制服姿の俺と歩いていた。


「健斗、臭い」

「いきなりそれかよ」

制服姿で、一日中ネットカフェにこもっていたから無理もない。


「一応デート前だから、シャワーだけはちゃんと浴びたんだけどな」

「タバコ臭い」

「タバコなんか吸っていないって、あっ!」

俺は思い出した。近くのおっさんが、たばこを吸っていたよな。

制服がヤニ臭いのは、そういうところだろう。


「健斗が急にデートしたいなんて、夜にどうしたの?」

「急じゃない、俺は考えたんだ」

俺は真剣な顔で、再葉の手を大事に両手で握る。

それを、再葉はじっと俺を見ていた。


「再葉の記憶の戻し方」

「私の記憶……」

「再葉は、記憶を失っているのは、若葉さんから聞いているよな?」

「はい、そのようです」

再葉の顔は、ぼんやりとしていた。

記憶を失っている人間は、そのことにすら気づかない。


「再葉の過去を見て、俺は確信した。

再葉は、記憶を失いたかったのではないかと」

「記憶を失いたい?」

「再葉が不死者になった日、そこからの記憶。

だけど、今は時間逆流も起こらなくなった。再葉はもう普通の女の子だ」

「うん」俺の話を、真剣に来ている再葉。


「だから、楽しいことをしよう。

俺といっぱいデートをしよう。

時間の許す限り、時間が続く限り」

「健斗……なんで泣いているの?」

「泣いてなんかいない」しかし、俺は泣いていた。

泣いている俺を、再葉はじっといていた。


「わかった」

「そこで、俺と再葉の出会いのきっかけになった過去に会おうと思う。

これは、再葉でもあり、彼女にも精算させてあげたいから」

「精算させる?」

「君に会わせたい人がいるんだ」

そういいながら、たどり着いたのが俺のバイト先。ファーストフード店。


そこで、一人の女がレジの前で接客をしていた。



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