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俺と中本が制服で住宅街を歩く。
それは、普通の通学風景にしか見えない。
だけど、俺と中本は行先が違う。まもなくして住宅街を抜けると、駅前大通が見えてきた。
この辺りは商店街でもある。
「俺は、運命を変えたい」
「できないわよ」
「できなくてもいい、やらなきゃいけない。
そこで、中本に頼みがある」
「頼み?」
「雲吞だった中本にしか、これは頼めない話だ」
俺は弱った中本をじっと見ていた。
「再葉に関する情報、雲吞で持っているすべての情報を教えてほしい」
「どういうこと?」
「再葉は記憶を失っている。記憶を失ったのは、不死者をやめるためだ。
だからこそ、俺は知りたいんだ。
再葉が、どうやって不死者になったのかを。
資料とか、雲吞にあるだろ」
「ええ、あると思うけど……」
ボスである丁が死んで、混乱している雲吞という組織。
だからこそ、雲吞の情報も必要なんだ。
再葉を救うためには、どんなことだって俺はしないといけない。
「だから、情報提供を求める」
「いいけど、再葉を救うためには難しい道だと思うわ」
「わかっている」
そういいながら駅までの道を、中本と違って横道にそれた。
「ありがとな、感謝する」
「本郷……君」
「再葉は俺が絶対に救う、そしたら今度はお前のことも考えないとな。
後は詳しいことはラインに書いておくから」
俺は背を向けて、商店街の奥へと消えていった。
そんな俺の背中を、中本はじっと見ていた。




