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俺は制服を着て、あるいていた。
俺の隣には、インターホンを鳴らした奴がいた。
だけど、あの一件以来俺は警戒していた。
「緊張しているわよ」
「どの顔して、お前はここに来た?」
それは中本だった。
制服を着たまま、彼女は右腕に包帯がまかれている。
再葉の攻撃を受けて、彼女はダメージを受けた。
二日ほど休んだが、すぐに学校に復帰した。
「私は、もう雲吞ではないの。丁は死んだわ」
「俺を誘拐しておいてか?」
「あの時は悪かったわね」
「それで俺が、許すと思うのか?」
しおらしい顔の中本に、俺は険しい顔を見せた。
「でも、あなたの手助けはするでしょ。学校さぼるのにね」
「俺には時間がない」
「再葉のこと?」
中本に言われて、俺は否定しなかった。
俺が襲われたのは、再葉の彼氏だったから。
再葉をおびき出すために、俺を拉致した。
「雲吞が再葉を作り、もてあそんだ」
「そうね、彼女は再葉も……私も、美来も作った。
だけど成功したのは再葉だけで、私の体はこんな化け物になった」
中本の足が、突然針のように変化する。鋭い足が、人間業とは思えない。
「結局私は化け物で、この世界に居場所なんかなかった。
だから、雲吞にいるしかなかったのよ」
それは、中本が落ち込んだ顔を見せていた。
だけど、俺はそれでも彼女に険しい顔を見せていた。




