表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一年彼女  作者: 葉月 優奈
十話:一年彼女の運命の時
123/161

123

翌朝、俺は家に戻っていた。

再葉に残された時間は、とにかく短い。

再葉が二度目の死をする時間まで、あと六十時間というところだろうか。

それまでに、再葉の記憶を取り戻す必要がある。


家に戻って、俺は夜中パソコンで調べていた。

なんでもいい、再葉の記憶を短時間で戻さないといけない。


(再葉との記憶を、もっと残しておくべきだった)

あまり写真が好きではない俺は、再葉との写真が少ない。

残っている写真といえば、ゲーセンで撮ったプリクラ程度だろうか。


(記憶を呼び戻すには、より多くの衝撃や思い出が必要だ)

だけど、時間はない。そんな俺は机に伏せたまま眠っていた。

眠っていたが、俺は目を覚ます。

眠い目をこすりながら目を開けると、俺の背中が何か当たっていた。


「なんだ……」

「なんでしょう?」女の声が聞こえる。

「よく……わからない」眠い顔で、顔を上げるとそこには雪乃姉の顔が見えた。

なぜか、怪しく微笑んでいる雪乃姉。


「雪乃姉……」

「おはよう」

「なんか、背中……ってその恰好っ!」

それは俺の背中に、雪乃姉の胸が当たっていた。

しかも薄手のキャミソールを着ていて、肌がかなり露出していた。

俺はそれを見て、すぐに雪乃姉から離れた。

雪乃姉の腕力よりも、俺の体を動かす力が勝って俺は離れることができた。


「夏だしね、暑いから」

「弟相手に、何誘惑しているんだよ!」

「面白いから、からかっていた」

「からかうな!」

「今日は学校、休みなの」

「あっ、そうだ」今日はまだ平日だ。

そろそろ夏休みだけど、一応平日だった。

だけど、パソコン画面を見て、俺は姉貴に言う。


「俺は休む」

「どうして?」

「休むって言ったら、休むの?」

「どこかデートに行くの?」

パソコン画面を見ている雪乃姉は、不敵な笑みを浮かべていた。

画面には、『ロマンチックな場所』と書かれた検索エンジンのページが表示されていた。


「あ……」

「デートのために学校休むなんて、お姉ちゃん看過できないわね」

「それはその……」だけど、そんな俺の家に突然インターホンが鳴った。


「インターホン……誰だろ」

「あの子じゃない、一週間前に来ていた」

そんな音を頼りに、俺は玄関に出ていった。

雪乃姉から逃げるように、俺はこの部屋を出ていった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ