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一年彼女  作者: 葉月 優奈
十話:一年彼女の運命の時
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若葉に言われた時から、俺は迷っていた。

何度もしつこく聞いてくる若葉は、真実を知りたがっていた。

だけど、この真実は残酷な結果だろう。

それでも俺の言葉を待つ若葉に、言わないわけにはいかなかった。


「再葉はもうすぐ死ぬ」

「え?」

「再葉の記憶が戻らなければ、あと二日ほどで死ぬ」

俺の言葉に、若葉は困った顔を見せた。

その死亡宣告は、若葉も真剣に聞いていた。


「そんなに早いの?」

「ああ、俺が覇王弓で短くなった寿命よりはるかに短い」

「そうなのね」

うなだれるように、若葉ががっくりとした顔を見せた。

俺が思う以上に、若葉はショックがあったようだ。

そんな若葉は、メモ帳をパラパラと見ていた。


「チュパカブラのような不死者は、時間の流れが違うの。

全ての人間……いや地球上の全生物よりも時間の流れが違う。

だから彼の見たその運命は、運命ではない。現実に起こる未来の事象なの」

「時間を操れるってことか?」

「彼の体自体が、タイムマシンみたいなものね。

彼はおそらく、見ていると思う」

「じゃあ、救えないのかよ」

「運命は分岐する。再葉を救うには、記憶の補完だけよ。

チュパカブラは、運命を変える唯一の方法を言っているわ」

「そうなのか」

それほどまでに、チュパカブラはすごいのか。

ここまで人外だと、何が本当かわからなくなる。

だけど、若葉は完全に信じているようだ。


「メモ帳にも書いてある、二千二十一年、七月十六日、再葉は再び死ぬ。

それは永遠の別れである……と」

「まさか……」メモを見せてきた若葉。

タワーで言っていた再葉の言葉を思い出す。

再葉は、飛び降りる前にはっきりとそう言っていた。


「ごめんなさいね、あなたを巻き込んでしまって」

そして、若葉はリビングのソファーから降りていた。



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