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一年彼女  作者: 葉月 優奈
九話:一年彼女の原材料
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恵理那は迷うことなく入るそこは、狭い店舗に多くのアクセサリーが売られていた。

ほかにもぬいぐるみや、文房具、カラフルな店内が見えていた。

何より客層が、女性が多い。年齢層も、小学生からいるようだ。


「これなんかどう?」

恵理那が、指輪を見せてきた。

本物の宝石ではないが、キラキラ輝く石を加工された指輪。

大きな石が、光っていた。


「ああ、いいんじゃないか」

「本郷君は、よく来るの?」

「俺、男だぞ」

「でも、お姉さんがいるんでしょ」

「まあ、姉貴の買い物の時は大体近くの本屋に行っている」

「ふーん」

このファンシーショップの真正面に、広い本屋がある。

俺はいつも家族でこのモールに来た時には、その本屋に行く。

姉貴の買い物は、特に長いからな。


「だけどね、女の子は一緒に買い物をしたいものなのよ」

「そういうものかね?」

「そういうもの。買い物をしなくても、ダダ見るだけでうれしいの。

四十万さんでしょ、本郷君」

「恵理那……」俺は驚いていた。

だけど、恵理那はじっと見ていた。


「だって、本郷君はずっと一途に思っているから。四十万さんのこと」

学校では再葉は、転校したとなっている。

記憶を失って、今ははかない命の再葉の状態を恵理那は知らない。


「まあ、そうだけど」

「四十万さんと、何度か話したことがあるけど」

「本当か?」

「あの子は、とても素直な子だわ。

だけど……どこか影がある」

再葉は、秘密を隠して生きている。そのことが、恵理那も気になっているのだろう。


「やはりそうだよな」

「これ、かわいい」そんな中、恵理那が手に持っていたのはぬいぐるみだ。

「それは……」青いネズミの、ぬいぐるみを抱きかかえる恵理那。

「ノケモンのブルーマウスよ、知らないの?」

「昔はやっていたな、そんなぬいぐるみがあるのか」

「ええ、女の子はいつだってかわいいものが好きなのよ」

恵理那は、どこか嬉しそうだ。

この店に入ってから、ずっと笑顔でいる。


「四十万さんにも、何かぬいぐるみを買ってあげたら」

「そうだな……」そんな折、俺のスマホが突然なった。

それは、メールだ。俺はメールの中を確認して、目を大きくした。

目の前で楽しむ恵理那に、俺は声をかける。


「恵理那、急だけど俺は行くところがある」

「何、どうしたの?」

「悪い、また今度」俺はそんな言葉を残して、そのまま店を去っていった。

そのまま、恵理那を一人残して走っていった。



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