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一年彼女  作者: 葉月 優奈
九話:一年彼女の原材料
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夕方、俺はショッピングモールに来ていた。

いつもバイト先があるこのモールは、仕事以外で来ることはあまりない。

それも、俺の隣には女がいる。だが、それは再葉ではない。


「恵理那と一緒か」

「不満?」

「いや、そうじゃない。」

「だったらいいじゃない」俺と恵理那は一緒に放課後、このモールに来ていた。


「で、デートだけど」

「本当は男が考えるデートについていくのが、女としてはいいのだけど」

「まあ、それはわからなくもないが」

「だけど、理想はあるの」

恵理那は、俺の少し前を軽快に歩く。

そんな彼女の前には、下着の専門店が見えた。


「そこに入りたいのか?」

「え、あ、違うわよ。ここじゃないの!」

慌てて否定する、恵理那。

そのまま、恵理那が離れるように前を走り抜けていく。


「じゃあ、どこに行くのか?」

「この辺りで、何気ない会話をすること」

「なるほど」

「掛川だと、モールが一番よね。少し離れると海もあるし」

「海か……」確かに、この町の南に海がある。

海水浴場もあり、海と面している。


「そうね、海水浴とかじゃなくて静かな海とか」

「そういう場所は、わからないんだよな」

「そんなの、ネットで調べなさい」

恵理那が、身もふたもないことを言い放つ。

まあ、それをしても再葉の気持ちを揺れ動かすデートができるかわからない。

これは、再葉の命がかかっているデートだ。


「後はプレゼントとかいいわね」

「プレゼントか?」

「そうね」そんな中、ファンシーショップが俺と恵理那の前に見えてきていた。



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