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再葉が死ぬ、それは驚きと悲しみがある。
その言葉を聞いて、俺はチュパカブラを見ていた。
「どういうことだ?再葉は……」
「死ぬ、彼女の運命は変わらない。その時間はあと八十時間ほどというのだろうか」
「マジか……」俺は漠然と驚いていた。
突然の再葉の死亡宣告、信用できなかった。
だけど、それを俺は受け入れていた。
「さっき俺にやったみたいに、できないのか?」
「無理だろう、覇王弓の矢ではない。あれは爆弾の後遺症だ。
彼女がそれを望み、彼女がそれを実行した。
彼女は運命に従い、不死者でなくなろうとする。
だが、それは彼女の死を意味する」
「そんなこと俺がさせない」
「無理だね。君は我らの世界の人間ではない」
チュパカブラは、首をひねっていた。
「それでも君には興味がある」
「なんだよ」
「再葉に君が必要だということだ」
「俺を呼んだ?ユズリハに?」
「そうだろうな、再葉の記憶が時間とつながっていることを若葉は知っている。
ところで再葉は、運命のメモ帳を持っているはずなのだが」
「メモ帳、ああ、あれか」
再葉はよくメモ帳を見ていた。
デートの時も、よく再葉がメモ帳を見てデートをしていた。
「あれは彼女のために書いた、我が作ったメモ帳だ。
彼女は、恋をしたことがなかったからな」
「それがどうした?」
「再葉は記憶を失っている。あのメモ帳にも、それが書かれている。
まずはそれを手に入れろ、あの一件以来どこかに消えたらしいからな」
「手に入れてどうなる?再葉は死ぬことには……」
「それが、再葉を救う方法につながるからな」
「ん?意味が分からないけど」
「難しいことではない。あの爆弾で失ったものは二つ。
一つは記憶で、一つは時間。
その二つは、つながっていないようで実はつながっている。
不死者は時間が巻き戻ることで、不死者でいられる。
だが、再葉は不死者で無くなった。それと同時に体が耐え切れなくなる」
チュパカブラは、歩きながら話していた。
「それだと……」
「そこで再葉が、死ぬ前に記憶を戻す必要がある。
再葉に残された時間は、短い。あのメモ帳には、彼女の時間もかかれている」
「時間……」
「とにかくメモを手に入れて、再葉の記憶を取り戻せ。
究極のデートをするのだ」
「だけど、あれは……」
「君は、再葉の『一年彼氏』なのだろう」
その言葉に、俺の価値がそこにあると俺は悟っていた。




