112
俺の目の前に現したのは、水色の肌の人間だ。
昔、SF映画で青い肌の種族のヤツがあったような気がするな。
そんな青というか水色肌の人間。
面長の顔で、にやにやとしていた。
「やあやあ、君かな若葉」
「ええ、お呼びしましたよ。チュパカブラ」
「そうかい、ボクは忙しいのだがね」
「そんなことを言わずに」
「おお、再葉か」
そんな青い面長の男チュパカブラは、再葉にすぐに近づく。
そのまま、体をベタベタ障っていた。
「あなたは」触ってくるチュパカブラに、少し不安な顔を見せる再葉。
なんだか、セクハラおやじみたいだ。
「おお、アザが少なくなっている」
「アザ……」
「やはり、実験は成功したのだな」
「いいえ、それが……」
答えたのは若葉だ。
再葉の体をなめるように触れるチュパカブラは、若葉を見ていた。
「なるほど、アザの数で分かる」
「さすがは不死者のオリジン」
「オリジン?」
「君は誰かな?」
そんなチュパカブラは、ありえない首の動きで俺を見ていた。
なんだ、こいつ。関節が人間のものと全然違う。
柔軟性が、とんでもなく柔らかい。骨がないみたいだ。
「彼は、ユズリハの協力者です。
再葉の記憶復元に協力してくれる一般人です」
「となると……表世界の人間か」
「ああ、俺は」
「本郷健斗、だよね?」
「聞いていたんですか?」
「君の顔に書いているよ」
チュパカブラは、不敵に笑って見せた。
俺は、思わず顔を触れてみるがわからない。
「相変わらず御冗談が過ぎますよ、チュパカブラ」
「いやあ、人の時間を読み取るのは不死者として当然」
そんな能力があるのか、恐ろしい男だ。
「このチュパカブラは、オリジンとか言っていたけど……」
「そう、チュパカブラは、再葉と美来……あとは中本 芙蓉の元になった人物なの」
「え?」俺は首を傾げた。
それでも水色の肌の、ふざけた姿で俺を見ていた。




