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エレベーターを乗って、俺はビルの七階のある一室に入っていた。
そこにはすでに再葉が待っていた。
青いワンピースの再葉は、俺を不思議そうな目で見ていた。
このまえ神社の土の中に眠っていた少女とは、とても思えないかわいらしさだ。
「再葉、元気だったか?」
昨日、あんなに激しく戦った再葉に俺は手を振る。
だけど、いつも通り冷めている……わけではない。
「健斗」
「俺を名前で呼ぶのか?」
「健斗は、本郷 健斗でしょ」
「ああ、そうだ」いきなり正論を言われて、たじろいでしまう。
真顔で言う再葉も、少しかわいく見えた。
「少し変わったのか」
「ええ、再葉に変化があったの。わずかに記憶が、彼女に言い変化をもたらしたわ」
「そうか、それはよかった」
「だけど、問題もあるの」
「問題?」
「おそらく、あの人物から言われると思うわ」
それは若葉がさっきから言う人物のことらしい。
俺は、それに全く心当たりがなかった。
「なんか、しっくりこないな。どんな奴なんだ?」
「人間じゃないわ」
「それは、何となくわかる。不死者か?」
「ええ、その人物は不死者よ」
「やっぱりそうか」
「もう来たみたい」
そんな中、若葉が時計を見ていた。
それと同時に、一人の人物が姿を現した。
いきなりビルの中に、突風が巻き起こる。
突風の中から水色の一人の人物が、姿を見せていた。




