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一年彼女  作者: 葉月 優奈
九話:一年彼女の原材料
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翌日の朝、俺はビルにいた。

それは掛川から離れた町、静岡のビルの中。

深緑のパーカーに長ズボンの俺は、若葉と一緒に歩いていた。

こうしてみると、若葉は本当に会社員にしか見えない。


「あなたは、どうやら了解してくれたのね」

「ああ」

それは俺が、若葉にした決意だ。


「俺は、ユズリハに入る」

「その話は、感謝するわ」

「だけど、俺は再葉を救うまでだ」

「もちろん、そうよ。再葉を救うために、あなたに協力してもらう」

「その前に、どうしても聞きたいことがある」

「なにかしら?」

ビルの中、通路を俺と若葉は歩く。

ここは一階で、受付に話をつけた若葉はカードをもらっていた。


「若葉さんは、再葉たちを殺す不死者殺しなのか?」

俺の言葉に、眉をひそめたのが若葉。


「ええ、そうね。昔はそうだったわ」

「一族はやめたのか?」

「私には才能がなかった。

情に流されてあの男を取り逃がし、家を追い出された。

それを保護したのは、皮肉にもあの男が当時いた組織雲吞だったわけ」

「あの男?」

「これから、あなたに会わせる男」

若葉は、俺の前に受付から受け取ったカードを見せてきた。

それは、何かの電子カードだろうか。


「俺に会わせる人?」

「そ、再葉にとっても、美来にとっても大事な人よ」

「わかった、そんなに大事な人って?」

「あなたは多くのことを知りすぎた。本来なら、こちらの話を先にすべきだったのだけど。

それに、あなたの役目である再葉の記憶の再現に協力してもらいたいから」

「それは任せてくれ」

「じゃあ、エレベーターに乗りましょ」

そんな若葉は、俺をエレベーターに誘導していた。

そのエレベーターには、すでに再葉が待っていた。その顔はいつも通りすました顔を見せていた。



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