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プラネタリウム

作者: 星月美華


最後の恋は、12年経ってから気づいた。

「思ってたよりも、微妙やったな。笑」

「うん。何であんなにも行列ができているのかわかんないぐらい。笑」

お互いの左手の薬指には、まだキラキラ輝く真新しい指輪があって、でも私達は手も繋がないまま車に乗り込んだ。



「はい。」

「ありがとうございます。」

これが私達の最初の会話。

大学に入学してすぐ、学部必須の英語の授業があって、前の席の人から先生から配られたプリントを受け取っただけ。

学部必須科目だったけど、学科はごちゃ混ぜで編成されたクラスで、最初の授業はまるでお葬式みたいに静かだった。そして、不運にもそのクラスの女子は私だけ。クラス編成した教員を恨んだ。



次の授業は学科のみの授業で、私のクラスは66人という学科的には小規模なクラスだった。

理系の学科だったから、ここでも女子は少数。そしてその女子達はいつの間にか、仲良くなっていて

私の入るスペースは無さそうだなと、すぐに思った。

私はどちらかと言うと1人が好きだ。女子には、派閥みたいなものがあって昔は普通に過ごしていたけど、

女子特有の裏で友達の悪口を言う、ってのが性に合わなくて、1人で行動することが多かった。

私は、地方の大学に進学していたため、寮生活だったけど、そこで同じ学科の男友達ができた。

男友達の方が、私の性格上上手くやっていけるということはわかっていたので、その授業の時も、そいつらの所に行こうとしたが、運悪くチャイムが鳴ってしまったため、近くの席に座ることにした。


授業の内容は、簡単な理系の必須のPCの初期設定だった。

大学の単位登録とかに必要なことを教授から言われ、みんな淡々とこなしていた。


しかし、これまた不運にも鞄の中に入れておいたと思ってた個人パスワードの書類を寮に忘れてしまったみたいで、今日はついてないなーって思ってた。


周りを見回してみたが、みんなしっかりとPC作業を行っていて、教授からは席が離れてるし、さてどうしたものかね?と思っていたら、斜め後ろの席に全くPCを触っていない奴がいた。

「ん?」

よくそいつを見てみたら、さっき英語の授業でプリントを廻してきた前の席の奴じゃん!

プリントの渡し方が、すっごく素っ気なかったし、目つきが相当悪かったのもあって、よく覚えていた。

一か八か、こいつもプリント忘れの同志かと思い

「あの、もしかしてプリント忘れた?」って聞いてみた。

「あー、うん。すっかり忘れてたわ。自分も忘れたん?」っと、意外と普通な返事を貰えて一安心。


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