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最弱勇者 ~弱者の生き方~  作者: 多石 隆弥
第一章  始まり
1/3

プロローグ

ある一人の少年が森をとてつもない速さで走っていた。そして後ろにはその少年に追いつけないでいる白い虎。普通、人間と虎どっちが速いといったら間違えもなく虎を選ぶであろう。しかし、この少年は違った。彼は虎より速く走った。


そしてこけた。木の根に足をひっかけて。


そして転んだ。ボールのように。


そして落ちた。深い崖に。


「あ、死んだわこれ」


これは今死にかけてている”有島(ゆうじま)タクト”の異世界での冒険のはじまりである。


________________________________________________________

僕は弱い。そう思い始めたのはいつだろうか。分からない。気付いた時から僕はずっと弱かった。


幼稚園の時はジャンケンが弱かった。小中学校の時はスポーツのほとんど、いや全てが弱かった。勉強はできたけど、良いとは言えない点数だった。僕は現在、高校生だが今頃なにかに強くなれるなんて期待していない。


それでも中学の時はスポーツが弱いなら努力でなんとかなると思って一生懸命がんばった。でも、その努力に見あう成果はなかった。


それと僕には友達はいない。今、僕はクラスの中にときどきいる端っこでずっと寝ている人のポジションにいる。そして今も寝ている。昨日は九時に寝たのに。


そして昼休みのチャイムが鳴り終わったとき、 


「お~い、そこの弱虫く~ん」


一瞬、僕のこと?と思って周りを見回したが違った。()()と言われているのは確か、僕の次にクラスでの体力テスト結果が悪かった、名前は確か和木君。僕と似ている所があったから覚えている。


「金ないからかーして」


ふざけた感じで金を要求してくるこいつは、となりのクラスの・・・誰だっけ?


「もう・・・お金は・・・・かしません」


和木君は勇気をもって、顔ぼくろ(名前忘れたから勝手に命名した)に言い返した、


「なにいってんの?友達だろ」


そう言って顔ぼくろは威嚇した。和木君は怖気づいてそこから一歩もあるきだせない状態になっていた。まさに()()()()()()()とはこのようなことをいうのだろう。


「おい、どうした」


扉開けて二、三人のいかにも悪そうな奴らが入ってきた。


「こいつ友達なのに金かしてくれないんだよ」

「そいつはいけねーな」


リーダーそうな奴が和木君を睨んでいった。


「ちょっとそいつ、いつもの場所まで連れてこい。友達というのはどういうものか教えてやる」


そう言って、無理やり和木君を連れていこうとしたその時、


「ちょっと待て」


一人の男が待ったをかけた。その男とは誰あろう僕である。クラスのみんなが驚いている。当たり前だ、今までただ隅っこで寝てすごしていたこの有島タクトが急に目立つ事をしたんだ、誰だって驚く。


それで、なぜ僕がそんな目立つことしたか。それは少し恩を感じていたからだ。もし和木君がいなかったら、あそこでいじめられていたのは誰だったろう。おそらく、僕がいじめをうけていただろう。今までいじめられなかったのがおかしいぐらいだ。だから、これは僕がする精一杯の()()()だ。


そして、顔ぼくろが近づいて威嚇するように、


「なんだ、お前が金かしてくれんのか」


和木君に言い返され、少々腹がたっているようだ。最初のようなふざけた感じがしない。まぁ、当然僕の返答は


「いやだよ。誰がお前なんかに金渡すんだよ。()()()()


僕に反撃されるのがそんなに嫌だったのか、顔をこれ以上ないほどに真っ赤にそめて、


「なんだとテメェー」


胸ぐらを掴んで殴りかかろうとする、そこでもう一人のリーダーそうな男が


「おい、落ち着け。やるんならあそこでやるぞ」


それを聞いて落ち着いたのかチッと舌打ちして後ろにさがる。次はリーダーそうな男が威嚇するように近づいて、


「おい、よくも俺の仲間バカにしたな」


そういって無理やり彼らがいうある場所に連れていこうとする。後ろを振り返ると和木君が複雑そうな、あともう少し泣きそうな顔をしている。そんな和木君に僕は”大丈夫だよ”という意味をこめて笑った。


そして、僕は彼らがいうある場所に着いた。ちょっと工場とか誰も知らない場所とかを期待したけど違った。そこは運動場の近くにあるただの倉庫だった。

がっかりしたという意味でハァーとため息をついたら、またバカにされたと思ってさらに顔ぼくろの怒りが増していた。


その後、倉庫の中でこれ以上ないほどの暴力をうけた。特に顔ぼくろからは何度も蹴られた。


そして、何十回目ぐらいで僕は気絶した。そのあと、あいつらはそのまま殴りつづけたか、それか飽きて暴力をやめたのか僕にはわからない。





目が覚めると知らない天井だった。いや、天井というか木についた葉っぱが見えただけなんだけど。(一回やってみたかった)


「ここはどこだ・・・」


周りを見るとそこは”森”だった。それもとても深い森。あいつらがここまで運んだのか?可能性はなくはないが・・・・。


「まぁ、とりあえずここを出よう」


そういって僕は異世界での第一歩を踏み出した。


読んでくださりありがとうございます。今回が初作品なのでまだまだ未熟な点があるとおもいますが、これからもよろしくお願いします。

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