005話
扇当て弓やなくても良いんかい!
みたいだな。弓で届かないからってカズミの奴が種子島で扇の中心撃ち抜いたら味方からは歓声が上がっていたが、向こうからは悲鳴やら怒号が飛んでいたけどな・・・
せやかて怒号飛ばしたモンを端から撃ち殺すちゅうんはワイらでも呆れるは!
まっまぁ~いいじゃないか。取りあえずお疲れ様だな
ホンマにお疲れ様や!
お疲れ様
おつかれ~~
おつ~
乙
何とか【一の谷】は終わることが出来たな
そやな。しかし移動中に襲われたんは予定外やで
そうですね。有岡城を奪われたのも予定外ですね
原因は分かってんか?
それなら【一の谷】背後の崖上から【死鬼】やその上位種が溢れ返ったのが原因みたいだな
そうですね。こちらが得た情報では【アシヤ】が関係しているようなんですが・・・
おっ! ワイの方にも情報が来たわ・・・黄泉の国へと通じる門? 何やこれ! イベントどころやないやなか!
【千成瓢箪】の方にも情報が言ったみたいだな。だがトウキチ、キヨモリ軍が健在のまま黄泉の勢力と争うとなるとかなり厳しい状況になることは目に見えているぞ?
せやかてノブタカはん、これ無視すんはどうかと思うわ
情報通りであれば【帝】が動いていることになるから各領主勢力の動き次第だろ?
プレイヤーがイベントに向けて動いたちゅうことで歴史をなぞるかごとく争いが起きてんやで?
それはそうなんだが・・・
各領主が動くとなれば彼も動かざるを得ないのではないですか?
彼?・・・ああ~【神子】か
実質美濃、近江、伊賀、それに山城の四国の領主やさかいな
なるほど、彼の勢力とウエスギ、タケダで三国同盟になっているから実質最大勢力になっているんじゃないのか?
それ言うんやらイマガワかて【神子】はんに協力するはずやな
それにホウジョウも【タイラ】の事も有りますから協力するのではないでしょうか?
だがそうなって来ると尾張のオダがどう動くかだが・・・
ああ~彼かいな。・・・危ないんとちゃうか? ノブタカはんが居らんのに彼を止めるモン居らんやろ?
・・・多分いないだろうな。だがキヨモリ軍を見逃すわけにはいかないだろう
【伊賀忍軍】のマサナリです。オダ、マツダイラで同盟が組まれました
そうなるよな・・・
その矛先が何処へ向かうかやな・・・伊勢に向かうんやら、問題あるやろが、それほど中央に影響ないやろが・・・
美濃へ、【神子】へと向かえばさらに混迷すると言う事だよな・・・
ですが、それは無いのではありませんか? 美濃へと進軍すればタケダ軍が援軍に来ることは確実じゃないですか?
せやかて、太田城を先に攻め落とし【神子】軍本隊と分断してまえば援軍が駆けつけるまでかなりの被害が出るんとちゃうか?
それは・・・
トウキチの言う通り俺たちが考えることくらいは彼なら考え付くだろう
せや! そうすればワイらの知らん方法で彼ならどうにかしてまうかもしれんな
まずは、その可能性を【神子】や【六文】のユキナ殿に伝えておくしかあるまい。俺ら【天下不武】が抜ければ彼を抑えるのは問題ないが・・・
そうなると、キヨモリ軍との戦いへの戦力不足になるちゅう訳や
話変わるんだが【屋島】へ向かう船の手配はどうなっている?
準備万端や! 【天下不武】【千成瓢箪】で大型船2隻、中型船を5隻用意できてまっせ
そうか。だが、史実通りに事が運ぶとすれば移動中に天候があれるんだろうな・・・
それが有ったよって、今回は先遣部隊を中型船2隻つこうて先行させるちゅう話になっとんねん
【海援隊】のリョウマだ。阿波でミヨシがホソカワに反旗を翻したみたいで【屋島】方面のキヨモリ軍は混乱中だ。それにチョウソカベ軍と共に俺たち【海援隊】も北上して西から【屋島】のキヨモリ軍を攻める為に進軍中だ
何やて! 今度はワイらの方に有利に働いとんのか
これは好機なんでしょうか?
好機なんだろうが・・・【一の谷】でも最後は帳尻があったとこを思うと
なんや不測の事態でも起こるちゅうことか?
それなら、【一の谷】のキヨモリ軍の大将が【屋島】に加わるのではないかと・・・
ん?なんだそっちの敵大将逃がしたのか?
ああ、こちらが不利な状態で始まったんでな
なるほど、モトチカ殿に伝えておく
そうしてくれ
一方その頃脱出したトモモリはトヨトミ軍の海上包囲を躱し讃岐へと上陸を果たしていた。そして天霧城へとたどり着いたトモモリはホソカワ軍の武将よりチョウソカベ軍がこちらへと進軍中であることを知る。
「このまま【屋島】へと向かえば逃げ道すら失う可能性が高い・・・とすれば我らは南から来るチョウソカベ軍を抑える必要があると言う訳だな」
「そっそれであればチョウソカベ軍を素通りさせその背後をつくと言うのはどうでしょう?」
トモモリは机に広げられた地図を見る。
「うむ、それは良い考えではあるのだが・・・恐らくその対応を敵が考えていないわけがない」
意見を述べた武者は続けて口を開こうとするとその言葉を待たずしてトモモリが口を開く
「故に、背後への攻撃は貴殿らホソカワ軍に任せる。そして我らはこちらより白地城を落とし敵の退路を断つ」
トモモリは閉じた扇子で天霧城を南下して白地城を西から指し示す。
「おっおお、では!」
武者の顔に笑みが浮かぶ
「そうだ。貴殿の判断も間違いではないが一押しが足りなかったと言う訳だな」
「なるほど、勉強になります」
「それに、白地城を敵が落したとてすぐさま死体の処理が出来るわけではない。と来れば・・・」
「おお! トモモリ殿のお力で兵力を増やせると言う事ですね?」
「そうだ。さすればその兵力を持って反乱勢力の居城を攻め落とせば【屋島】へと迫る東西の敵軍はそれぞれ挟まれる形となり・・・」
「討ち取れると言う訳ですね?」
トモモリは頷くのだがその心の中では「貴殿たちは敗れるであろうがな」と呟くのであった。
トモモリの予測通りチョウソカベ軍は通過すると見せかけホソカワ軍を迎え討ち、ホソカワ軍は敗れるのであるが、その間にトモモリ率いるキヨモリ軍により白地城は落とされ、チョウソカベ軍がそれに気が付いたころには白地城の死者のみならず敗れたホソカワ軍の死者を加え一大勢力となったキヨモリ軍との戦いで【屋島】の戦いにチョウソカベ軍が間に合うことはなかったのであった。
またノブタカ達の予想通り後続の部隊が船で出発すると途中で嵐となり、大型船2隻以外の船は予定通りに到着することが出来なかった。
そして反旗を翻したミヨシ軍もまた白地城のキヨモリ軍を警戒して【屋島】へと全兵力を差し向けられなくなり、兵力的に互角の戦いが始まろうとしていた。




