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オールド・タイム・ワールド・リンク(仮)  作者: あおい聖
【京都動乱】
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012話

 伊賀の国、【十勇士】の戦いも佳境を迎えていた。


 当初猛威を振るっていた【死鬼】達ではあったのだが、統率が取れていなかったことが幸いし、囮を使い【死鬼】達を周辺へと分散することに成功した【十勇士】はノブシゲを中心とした主力部隊が各個に撃破することで優位に戦いを進めていた。



「朝宮城のアシカガ軍はサスケとサイにより混乱状態とのことです」



「アスカ軍、草津を抜け瀬田へと進軍! 最早勝利は目前とのことであります」



 それぞれの報告を聞きノブシゲは頷き立ち上がる。



「良し! 我らもここで伊賀の城を落としこの地を我らの領土とする!」



 周囲の者たちの顔に笑みがこぼれる。



「だが! ここで油断などする暇などないと肝に命ぜよ!」



 ノブシゲの言葉に周囲から雄たけびの声が上がる。






 清水山城南西、大溝


 ナガマサを先頭に駆ける騎馬隊の下へ1騎物凄い速度で駆け寄る。



「申し上げます! ヒサマサ様若狭の国にて若狭タケダ軍を打ち破り国盗りを行ったとの知らせです!」



 ナガマサやヤヘイの顔が歪む。



「更にそこにヨシナカ、トモエ率いるヨシナカ軍を確認したとのことであります!」



「父上・・・貴方と言う人は・・・」



「若!」



「我らは死者に組しない! その考えは変わらぬ! 早期にここでの戦いに決着をつけ、この私の手で父上・・・いや逆賊ヒサマサを討つ!」



 その言葉に反論する者はいなかった。寧ろ先代ヒサマサの行いに怒りを覚える物の方が多かったことであろう。それは一度は許されたとて、あのドウサンやハンベイが2度目を許すことなどないと自覚していたからに他ならない。


 最早自分達は目の前の若き当主ナガマサに付き従うとアザイ家が一つにまとまることとなる。そして自分達には逆らう気が無いことを見せる必要があるとも自覚し攻撃に力が入る。





 賤ヶ岳


 策により数のふりを覆していたドウサン軍であったのだが、アサクラ軍の後方に土煙が上がったのを確認すると、それまでとは打って変わって攻勢に出た。



「ここで一気にアサクラ軍を叩く! 者ども儂に続け!!!」



 ドウサンは戦闘を駆りアサクラ軍へと突撃する。なぜ攻勢に出たと言へば後方の土煙の向こう側に【毘】の旗がなびいていたからであった。



「カゲトラ殿にしては随分と時間がかかったようですね・・・」



 ハンベイはパチリと扇子を閉じ敗れ行くアサクラ軍を見据えそう呟く。






 若狭の国、後瀬山城



「何と惨い・・・」



 ヒサマサの眼前には老若男女問わず子供すら命を奪い【亡霊武者】へと変えて行く光景を目の当たりにして吐き気を催す・・・顔をしかめながらも堪えるその家臣たち・・・ここはまるで地獄のような光景が目の前に広がっていた。



「約40,000と言ったところか・・・」



「はい。これだけの兵力が有れば東へと抜けるは容易・・・場合によってはそこまでの国々を支配下に置くことも可能かと・・・」



 トモエの言葉にヨシナカは首を左右に振る。



「美濃を納めたアスカ軍には及ばぬだろう・・・」



「・・・確かに・・・実に忌々しい浄化術でありましょうか」



「トモエの傷も有ることだ。ここで無理をする必要などない。仇はいずれ取ればよい」



「・・・」



 トモエはヨシナカにそっと寄り添いヨシナカと共に夜空に浮かぶ月を見上げた。






 アサクラ軍を打ち破ったウエスギ軍はその進路を若狭の国へと向けた。



「・・・カネツグ何故若狭へ向かうか気になっておるようだな?」



 軍の先陣に位置する場所でカゲトラとカネツグは馬を並べ進軍していた。



「はい。ここはサイトウ軍と合流するのが定石かと」



「それでは遅いな」



「遅いとは?」



「感じないのかこの禍々しい気を」



 カゲトラは手で前方を示す。



「・・・まだまだよのう。良いかカネツグ前方より死者が放つ瘴気が漂っておる」



 カゲトラの言葉にカネツグは瞳を見開き驚きを見せる。



「なっ! 若狭の国も既にヨシナカ軍の手に落ちていたのですか」



 カゲトラは首を左右に振る。



「そうではない。恐らく民全てを兵とすべく殺戮が行われておる」



 その時西から風が吹く



「!? これは血の匂い?」



「理解したようだな。そうこのままでは若狭の国に住まう全ての民が殺されてしまうであろう」



 ゴクリとカネツグはつばを飲み込んだ。



「故にこの我が天に変わってこれを食い止めねばならぬ。毘沙門天の名のもとにな・・・」



 カゲトラの言葉はそれほど大きくはなかったのだがそれは周囲の者たちへと伝わり、より一層兵の士気が上がるのをカネツグも感じていた。

お読みいただきありがとうございます。


次回は来週更新予定とさせて頂きます。

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