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オールド・タイム・ワールド・リンク(仮)  作者: あおい聖
【京都動乱】
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006話

 ヒサマサの降伏受け入れによりすぐさまその情報を小谷城を含めアザイ家が支配下に置く城へと伝えられた。


 ナガマサはと言うとアスカは軍団長として近江の守護を任せたかったのだが



「それでは私が父上を討ったと思われ近江に置いて影響力を失います」



 と言い、ハンベイもそのことが気がかりであるとしナガマサは清水山城の城主として落ち着きヤヘイもまた刑務官に任命され清水山城へと配属され、その他の多くの者たちも纏め役の者に内務官、諜報官が与えられ清水山城のナガマサの下へと配属された。


 ヒサマサ降伏により【十勇士】のノブシゲにも褒賞が与えられることとなった。当初は清水山城が与えられる予定であったがその城はナガマサへと与えられたために別の報酬が与えられた。



「はぁ!? 城主ではなく伊賀の国ですと!?」



「ええ、そうなりました。多くもらえる分には問題ありませんよね?」



 鎌刃城にてノブシゲと相対したユキナがそう告げる。



「いやいや、それは可笑しいでしょう」



「何処かおかしなところが有りましたか?」



「可笑しいも何も、情報収集や清水山城の戦力の足止め・・・それもヒサマサがすぐに降伏したため戦いすら行っていないのですよ? 城主としてももらい過ぎであるから清水山城刑務官や諜報官辺りでと言われるかと思うんですが・・・」



 するとユキナはニコリと笑みをつくり



「はい。確かにそのような話にもなりましたが、思いがけず伊賀の国が手に入ってしまい人材不足と言う事も有り伊賀の国平定に戦力を割くことが難しい状況なんです。ですので、ある程度信用の置ける【十勇士】のノブシゲ殿に伊賀の国を任せ我々は京都、山城の国に専念すると決まりましたんですわ」



 そう、本来であればアスカ軍の中から人材を選べばよいのだが、纏め役ともなるとそれ相応の能力が必要になり、そして今作戦上に置いて手柄を上げた中から選ぶとなるとノブシゲを置いて他に居なかったのであった。



「はぁ、大体の状況は理解できたが・・・他の役職もこっちで頂いていいのか?」



 ノブシゲを代官としてその他の役職も【十勇士】に与えられると聞いての言葉である。



「その方が平定が早まるのではなくて?」



「早くはなるだろうが・・・ウチが裏切るとか考えないのか?」



「あら? 裏切りますの?」



「いや、例えだから・・・ああ~もう分った。さっさと平定して援軍を送れるようにする」



「でしたら音羽城で武器などを補給すると良いでしょう。ロッカク軍の武具が大量に置いてありますから」



 ノブシゲはその言葉に驚き口を開け一瞬固まる。



「いやいや、それも可笑しいだろ! 武具ならそっちでも必要だろう?」



「はい。確かに必要となりますが、この戦時間との戦いなんです」



 ノブシゲはユキナの言葉を考える。



 時間が無い・・・確かにここで手をこまねいていては摂津の国のトヨトミ軍、それに【千成瓢箪】が追い詰められるか



 東をヨシナカ軍、西をキヨモリ軍に挟まれる形となっているトヨトミ軍の現状でここでの戦で時間が駆けられないと言う事はノブシゲも理解していた。



「ご理解いただけたようですね」



「ああ、このままでは摂津の国のトヨトミ軍が持たないと言う事だろ?」



 ノブシゲは頷き



「伊賀の国を抑えることは急務だと言う事は分かった。有り難く借りとくよ」



 ノブシゲは代官の任を受けギルドの仲間たちにそのことを放すと狂乱したかのように歓声が上がり引くことになるのだがノブシゲはまだそのことを知らないのであった。






 京の都、ヨシナカに与えられた大きな屋敷


 その一室で寝込んでいた女【亡霊武者】トモエが目を覚ます。



「おお、トモエ目が覚めたか」



「お前様・・・私は・・・敗れたのですね。申し訳ございません」



「何を言う。奴ら相手ではこの俺様とて敗れたやもしれぬ」



 ヨシナカとトモエはどちらからともなく抱き合い



「お前様木曽へ帰りましょう」



「確かにこのままではキヨモリ軍は愚か他の軍にすら敗れかねん・・・木曽で立て直すが城作と言う事だな?」



「はい」



「だがそれには美濃のアスカ軍とやらを叩く必要が出てくるぞ?」



 するとトモエは扇子で床に置かれた地図を指し



「ここでそのアスカ軍を引き付け、我らはこちらから・・・」



 ヨシナカの瞳が怪しく光る。



「なるほど。これで有ればあやつらの裏をかけると言う物」



「はい。ですが、少なすぎても怪しまれます」



「その辺りはロッカク軍なる軍の死者たちを使えば良かろう?」



 トモエは考え込む



「確かに数は揃うでありましょうが・・・」



「突破されるのも早いと言うのであろう? そこはこちらの街道も使い兵を多く見せれば・・・」



 ヨシナカの言葉にトモエも頷き



「時間との勝負となりましょうが・・・ギリギリ時間は稼げるかと思いますわ」



「良し! 昼間ではあるがこのまま目立ちながら出陣だ! 向かうは東方! 木曽へ!」



 ヨシナカ軍は西に展開していた軍も戻し全軍で東へと進軍を開始した。

お読み頂き有難うございます。


次回UPは30日または5月1日辺りを予定しています。

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