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オールド・タイム・ワールド・リンク(仮)  作者: あおい聖
【亡霊武者】
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008話

 【姫軍師】自身の眼や斥候などからの情報を得ることでMAPに敵対者の行動予測を表示する。


 【騎馬武者】騎馬に騎乗時、操作や姿勢安定補助、動作補助をしてくれ、騎馬の力を10%引き上げる。


 【六文】所属のユキナとカエデはこれらを得ることでそれまで以上の戦果を上げ予定を大幅に上回り美濃へと足を踏み入れる。



「明日から学校か~」



 騎馬に乗るカエデが愚痴を漏らす。



「そんな事を言って、アスカ君に会えるのを楽しみにしているのが丸わかりよ」



「そっそんなんじゃないさ! そんなんじゃ!」



 ユキナの言葉にカエデは馬上で慌てふためく。



「それに、私の予測ではこの先の大垣城でアスカ君も足止めされていると思うわ」



「!? 本当か! っしゃぁっ!」



 ユキナの言葉にカエデは叫び声を上げる。



「煩いですね。本当にこれで京へ戻れるのですか?」



 ロバの様な可愛らしい馬に乗ったイッキュウがカエデを見上げ言葉を投げかけた。



「おっ! イッキュウの癖に生意気だな」



「それについてはこの後の交渉次第と言ったところですね。アスカ君の協力を得られれば確率は非常に高いものとなるでしょう」



 イッキュウはユキナへと疑いの目を向け



「本当にそのアスカと申す者は強いのですか?」



「疑ってるのか? オリハルコン・ゴーレムをほぼ単独で倒せる実力者と言えば理解できるか?」



 イッキュウは驚きを見せすぐに我に返り口を開く



「それは嘘ですね。一年に一度富士の山に現れる神の試練の一つですよ? 貴女方【時間旅行者】がいくら規格外と言ってもレベル的に不可能です!」



「あら? 4年前のオリハルコン・ゴーレムを討伐したのも【時間旅行者】ですわよ?」



 ユキナの言葉にイッキュウはマサカドと斬り合っていた老人を思い浮かべ



「あのお方は特別です! 特別!」



「アスカはそのタケル爺さんの孫で弟子でもあるんだがな・・・」



 カエデの言葉にイッキュウはカエデを勢いよく睨み付け



「弟子だから強いのであればタケダ軍はかなりの実力でしょう? けれど私の見たタケダ軍は他の領主軍よりわずかに強い程度! その程度の実力しかないに決まっています!」



「何をぉぉぉ!!」



 カエデとイッキュウが睨み合う。



「では、我らの使う【破邪】系の武具の材料の提供者でもあると言えばどうですか?」



 ののしり合っていたイッキュウの動きが止まり、まるで古くなり動きの鈍くなった人形のごとくゆっくろとユキナの方へと顔を向ける。



「それは・・・!? まさか!? シキノ様が使える【聖術】より上の【神聖術】が使える方なのですか?」



「そう、それ1つとってもこちらには有利に働くし、駿河の国で感じた浄化の力は彼が、アスカ君が使ったものですよ」



「なるほど、それは是が非でもお味方していただきたいものですね。ですがそうするとますますそんなお方が武にたけているとは信じがたいのですが・・・」



「まっ弟子といってもどっちかと言うとシズネ婆さんの弟子と言った方がしっくりくるんだけどな」



 カエデの言葉にイッキュウはマサカド軍の白面の者を倒した女性を思い出し



「なるほど、つまりは【剣舞術】を扱いになると言う事ですね」



「そうですね。それも使えるでしょうが、普通にタケル様と同じ【刀術】も使えますよ? 寧ろ聞いた話では【死鬼】や【亡霊武者】に対してであれば自身よりダメージを与えると仰ってましたね」



「ふむ、ますます分からなくなってきましたが、【神聖術】に加え【剣舞術】をお使いになるのであれば【神子】の職に付いていても不思議ではないご人と言う事ですか・・・」



「ふ~んそんなジョブが有るのか、まぁ二つ名が【神楽舞の神子】や【神子】なんて呼ばれているみたいだから有り得るかもな」



 カエデの呟きを聞いたイッキュウは再び驚きの表情を見せる。



「まさか! これから会いに行く・・・もとい、お会いするお方が【神楽舞の神子】殿なのですか?」



「ええ、甲斐の国を救った【神楽舞の神子】はアスカ君の事で間違いありませんよ」



 ユキナの言葉にイッキュウは突然自身の馬に鞭を入れ集団の先頭へと駆けだす。



「どうしちまったんだあいつ?」



「さぁ? 【陰陽連】で何かあるのかもしれませんね」



 イッキュウの行動にカエデはユキナへと訊ねると真剣な表情をしたユキナを見て



「気を付けた方が良いって事か?」



「まだ何とも言えませんが、警戒はしておいた方が良いでしょう」



「だよな。アスカにウチからも護衛はつけてあるからと言っても・・・」



「新人で、シズネ様が最低限は鍛えたと言っても現地人とまともに戦えるわけではありませんからね」



「確か向うにはハルナさんが居るんだよな?」



「そうですね。護衛と言う事ですしお耳に入れておく必要があるでしょう」



 ユキナの言葉にカエデも頷き同意する。そんな彼女たちの目の前に大垣城とその城下町が見えてくるのであった。

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