010話
ポ～ン！ ギルド【葵】を以下の理由から闇ギルドに認定いたします
総メンバーの三分の一が【レッドネーム】であること
【ブラックネーム】を輩出した環境であること
総メンバーの全てが【イエローネーム】以上であること
この他にも細かいことはありますが以上により闇ギルドに認定いたしました
今後とも【WOL】を節度を持ち生活することを心より願っております
闇ギルド！？
プレイヤーが立ち上げたギルドでは初だな
嫌々それよか【ブラックネーム】の方がびっくりやろ！
【ブラックネーム】・・・殺人か・・・
【レッドネーム】が多いのも危ないんじゃないのか？
【葵】って今メンバー何人だっけ？
プロゲーマーの中核メンバー60人、その他のメンバー約1,200人じゃなかったか？
1,128人HPに載ってた
サンキュー
総数1,200人の内【レッドネーム】が・・・
400人。かなりの数
あっ！ 冒険者ギルドに【葵】討伐依頼が出されてる
幹部50M、構成員5M、タダトラ200Mの賞金掛けられてる
【風林火山】のハルナです。駿河の国を混乱させていた【葵】ツバサ討伐完了した
おっ賞金手に入れたのか？
いや、アナウンス前だったんで手に入れてない
と言う事は討伐したことにより認定されたと見て良いな
それで、討伐に当たり気をつけねばならない情報を上げる
ん？ 何かあるんか？
興味深いな
ツバサはレベルカンスト、黒いオーラ多分瘴気を帯び、通常より強化されているもよう
黒いオーラって・・・
それよかワイはレベルカンストの方が気になりまっせ！
黒いオーラに関して何だが、身体の中に【蠱毒虫】が居てそれのせいだったと判明
【蠱毒】やて！！
ツバサを倒した後の対処の方が大変だった。浄化出来ないと木々が枯れる
はいは～い【六文】のカエデだよ！ それ放置すると魔物が湧き出る渦に変わるそうで～す！ あっこれシキノちゃんからの情報ね
【陰陽連】の盟主からの情報かいな・・・ホンマの事やろ
ああ、だがこれで迂闊に【葵】のメンバーを倒すわけにはいかなくなったのか？
ハルナはん！ 因みにあんさんらはどないしたんや？
【神楽舞の神子】の舞で浄化しつつ【紅の姫騎士】の聖炎で滅すると言う物だ
うわぁ～それ第五陣のトッププレイヤーやないか
確かに2人とも関東のプレイヤーだという情報はあったが・・・
物凄い偶然やな
しかし範囲浄化と個別浄化で倒したとなると・・・
せやな他のプレイヤーにはきついんと違いますやろな
ん？ 【破邪（小）】が付いた武器なら甲斐の国のトウショウサイ殿が量産に入ってるはずだが？
何やて！ 急ぎ仕入れな！
交渉して製造方法を聞いた方が良いだろうな
ああ～せやな、人ひとりで造るちゅうにも限界があるやろ
伊豆の国、韮山城
「何故俺が賞金首に！」
ガシャガシャ～ン！ 手前にあったお膳を蹴り飛ばしタダトラは立ち上がり苛立ちを見せる。
「これもこれもツバサの奴がへましたからだ！」
だが他のメンバーの目は冷ややかである。なぜならば以前からこのまま【アシヤ】や【タイラ】などと行動を共にしていればこうなることを口を酸っぱくしてタダトラに進言していたのである。それに今この場に居るメンバーは【オレンジネーム】であるが、タダトラは【レッドネーム】であることからもタダトラが冷ややかな目で見られているとも言えた。
少し離れた場所でタマヅサはそんな光景を冷ややかな目で見ていた。
「【時間旅行者】も大したことありませんね～・・・ですが、その方が上手く踊ってくれるようですけど・・・」
今現在ここに【アシヤ】の首領であるドウマはいない。彼は今別の場所で【タイラ】とは違う形で暗躍しているのである。
「【葵】も【タイラ】の我が君のなさることの時間稼ぎ・・・今しばらく踊ってくださいまし」
武蔵の国、突如として多くの【死鬼】が暴れまわり混乱していた。そんな中【白虎隊】は救援活動や討伐と言った依頼を積極的に受け対応に追われていたが、多勢に無勢と言った形となり次第に【死鬼】の勢力が拡大して行く。
「【風林火山】からの援軍、不可能とのことです！」
「【江戸葵】も同様に下総の国で暴れる【死鬼】の対処の為動けないとのことです！」
トウシロウは瞳を閉じたまま報告を聞いていた。その瞳が突然開かれ
「越後の【毘沙門天】に救援を要請！」
「なるほど、史実でも北条の脅威に越後の長尾家に助けを求めた奴ですね」
「ウエスギ軍にもナガオ軍に援軍を求めるように助言してきます」
そこへ再び【死鬼】の襲来の方がもたらされる。
「【白虎隊】出陣だ！ 犠牲を最小限に食い止める！」
トウシロウは刀を腰へと差し込み部屋を後にする。
八王子の城下町を飛び出した【白虎隊】の前におびただしい数の【死鬼】が確認できる。
「なっ！ 今までにない数・・・八王子を落としに来たか・・・」
すると【死鬼】達の後方で大きな土煙が上がる。
南方に広がる【死鬼】を見据え顔立ちの良い鎧武者は騎馬の上から刀を掲げる。
「ナガオの武の者たちよ！ 毘沙門天の旗の下、このカゲトラに続け！」
「「「おお！！」」」
ナガオ家当主ナガオ カゲトラの号令の下カゲトラを先頭にナガオ軍は【死鬼】へと突撃を開始した。
