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オールド・タイム・ワールド・リンク(仮)  作者: あおい聖
【駿河の国】
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004話

 くそっ! やられた!



 何々?



 伊豆の国でっしゃろ? 【葵】も要らんことしてくれるわ



 それだけじゃないぜ。【アシヤ】がヨシトモを【死鬼】に変え駿河の国で暴れてる!



 【伊賀忍軍】正成だ。ヨシトモの傍にレベル50の【葵】ツバサを確認した



 なっ!? もうカンストしてるやて?



 奴らはプロゲーマーだ。効率の良い狩場でも見つけて秘匿していたんだろう



 こちら【六文】のユキナです。代表直属のタケダ軍を借りて吉原宿の物流一部開放しました。



 これで蒲原城、吉原は暫く持ちそうだな



 マツダイラ軍との合同で駿河攻めが開始されました!



 くっ! 争っている場合じゃないのだが・・・



 しゃ~ないでっしゃろ? しかしえろう東海道で注意引いてますな?



 首なしの鎧武者の目撃情報も消えましたし・・・



 今手薄なのは・・・常陸、上野、下野辺りか?



 武蔵はどうなんや?



 あそこはウエスギが居るんじゃないのか?



 ウエスギちゅうてもナガオではないやろ? 大丈夫やとは言われへんぞ



 そこは【白虎隊】に期待したいところだが・・・



 【風林火山】のカツヨリだ。タケダ軍と共に甲斐の国へ帰還することになった



 イマガワ軍に備える・・・いや駿河攻めになるか



 多分そうなるだろう



 それにしても【アシヤ】は見かけるちゅうのに【タイラ】を見かけ~へんな~



 動きが無いだけに不気味だな・・・






 常陸の国、西部から連なる山脈にひっそりと隠れるように城が立っていた。



「これでマサカドは蘇る」



 棺の様なカプセルに何かの液体を満ちていた。良く見るとその中に渋い顔をした鎧武者が静かな呼吸を繰り返していた。



「太田城はまだ落ちないのか?」



「はっ周囲への警戒しながらですので、今しばらくお待ちいただければ」



「ふむ、ドウマは上手くやっているようだし待つとするか」



 【死鬼】の瞳が赤く怪しい光を放つ・・・






 伊豆の国、韮山城



 老人は城の天守から城下の先にある富士山を見据えていた。



「・・・失敗しおったか・・・まぁしょうがないじゃろう」



 ドウマは顎鬚をなでながら富士吉田城を与えられた【時間旅行者】の老人を思い浮かべながら呟く。



「ドウマ、次はどうするんだ?」



 全身から漆黒のオーラを浮かべるタダトラがドウマへと訊ねる。



「貴様! ドウマ様を呼び捨てにするな! 様を付けろ様を!」



 普段は冷静を装っている【青鬼】は声を荒げタダトラを睨み付ける。



「フンッ! 俺は別にドウマの部下じゃないぜ」



 更に怒鳴りつけようとした【青鬼】の前にタマヅサが歩み出て



「部下でなくても同名相手の首領ですよ? せめて殿と付けるのが礼儀ではなくて?」



 着物が少しはだけた形で来ている為か、はたまたその大きな胸がそうさせているのかタダトラは顔を赤く染め



「わっ悪い。すまんなドウマ殿」



「フォフォフォフォ、よいよいだが言葉遣いには気を付けた方が良いぞ? 儂の部下には血の気が多いのが多いからのう?」



 タダトラの首筋に小太刀の冷たさが伝わる。



「なっ!? いっ何時の間に!」



「次、無礼即斬」



 小太刀を突きつけたまま【子鬼】は端的に呟く。



「わっ悪かったって! 気を付けるからこいつを退けてくれ!」



 タダトラの首筋に赤い線が作られる。



「くっ! 気を付けますからこれをどかしてください。お願いします」



 【子鬼】はドウマへと顔を向けるとドウマは頷く。



「次は止めない」



 小太刀がハズレ、タダトラはその場で崩れるように座り込む。



「【子鬼】の坊やだから大丈夫だったのよ? これが【赤鬼】の旦那であれば・・・」



 タダトラは自身へと金棒が振り下ろされ潰れるさまを思い浮かべ顔を青くするのであった。



「さて、これで時間を稼いだ・・・奴らはどう動くやら・・・」



 誰にも聞こえないような小さな声でドウマが呟く・・・それを聞かせないとばかりに丁度良く強い風が吹くのであった。






 駿河の国、駿府城



「これで俺も一国一城の主・・・グフフフフフ見ていろこの俺様がマサキやタダトラを押しのけNo.1になってやる」



「そううまく行くものかのう」



「黙れ傀儡風情がっ!」



 白い血の気が引いた肌をしたヨシトモへツバサは怒鳴りつける。



「忌々しや・・・本当の敵に使われねばならぬなど・・・」



 ヨシトモの言葉に背後に控えた武将たちは悔しさに顔を歪める。傀儡となり果てていても主君であったヨシトモに付き従う者たちである。



「ああ゛~ん? そんなに睨み付けても無駄だ! こいつは俺が使役しているが、魂をこの世に縛ってんのは俺じゃね~からな!」



 ツバサの言葉通りであることを彼らは知っているのである。最初に現れた時に全員でツバサを打ち取っているのである。しかし解放されるどころか復活して現れたツバサによってヨシトモの子ヨシトモが嬲り殺されてしまったのである。彼らにとっては悔しさは計り知れないものとなっている・・・いるのだが、彼らは契約により逆らう術を失っているのだあった。

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