010話
あれ? 投降組以外の【葵】のメンバーが死に戻りしてるみたいなんだけど・・・
【新選組】ソウシです。上総の国国境付近で【アシヤ】と抗戦中。恐らく死に戻った者たちは使い捨てにされたものと推測します
ああ゛~だれか援軍求む! 【天下不武】のシバタだ! 犬頭の妖うぜ~~~
ん? コボルトが出ただと!?
モフモフ!?
知りたきゃ援軍に来い! 上総の国の国境付近だ!
了解!
ラジャー!!
この感じから言って【葵】ツバサ派は【アシヤ】の下に行ったようだな
そうやね。タダトラ派が【タイラ】と一緒に居るようやな
表世界でえらいことになってるぜ
うわぁ~巻き添えは御免やで
報告! ツバサ派はツバサ以外が死に戻り今牢屋送りとなっている
!? それはホンマでっか? イサミはん!
ああ、ホウジョウ軍からの情報だ。間違いないだろう
マサキだ。事情聴いて来たぜ
それでどうなっている
ツバサ以外は【アシヤ】のドウマにやられたと言っている
必要なんわ【マサカドの首塚】かいな
じゃあツバサを残したのは?
元々ツバサと【アシヤ】のドウマは面識があったようだ。だから自分達は裏切られたと口々に言ってたな
そうなって来ると・・・ちょっと待ってくれ
なんや? なんかあったんかい?
お~いノブタカはん返事せ~や!
悪い。今悪い知らせが入った
ん? なんや? 何があったちゅうねん
イマガワ軍が尾張の国目指し兵を上げたとオダ軍から連絡があった
はぁ~? 何しとんねんイマガワ軍も協力してマサカドに対応するとちゃうんか!
分からん。今三河の国にいる【伊賀忍軍】に連絡を取ってるとこだ
【伊賀忍軍】のマサナリです。マツダイラ軍も尾張へ向け兵を出すようです
はぁ? 桶狭間かいな?
それだ!
へ? それだって・・・桶狭間! 嘘でっしゃろ? シャレならんわ
あとイマガワ家当主のヨシトモの傍に怪しい女性が侍っているらしい
女侍らしてるやて? まさかその女妖狐ちゃうやろな?
あり得るかもしれん。上総の国でその後タマヅサは見かけたのか?
【八犬士】のフセです。見かけてないとのことです
くそっ! こうも広範囲に広がると対応が・・・
諦めるのか? 桶狭間だと言うなら止めれば良かろう? 全容が見えんのだ後手に回るのは仕方ないことだろう
悪いイサミの言う通りだな。【天下不武】は何とか桶狭間を成功させるよう動く
こっちは任せとき
マツダイラ軍も乗り気では無いようだ。イマガワ軍には悪いが【伊賀忍軍】は暗躍させてもらう(ニヤリ)
だったらそのヨシトモが侍らしている女性の素性を調べてくれ
了解した
【独眼竜】上総の国へ侵攻したぜ! 何処へ向かえばよい?
こちらはまだ持ちます。国境の戦いに参戦してください
分かったぜ! 俺様たちが行くまで死ぬんじゃね~ぞ
誰にもの言ってんだ! 数が多いだけだ!
すみません。そう言う事なんでツバサ見失いました
ちっ! 【アシヤ】に良いようにやられてんな
【歴史イベント】歴史になぞらえ起こる領主戦争ではあるが、プレイヤーである【時間旅行者】の活躍で無膳に防げたりする。故に桶狭間や川中島などの歴史イベントは小競り合い程度で回避されている。三河の国のマツダイラも【伊賀忍軍】の活躍により独立を果たしているのであった。
尾張桶狭間、そこを見下ろす山間にオダ軍、【天下不武】は陣を敷いていた。
「ヨシトモ桶狭間で陣を敷きました」
「ご苦労」
陣の中央上座に西洋の鎧姿の歯髄男が返事をする。オダ家当主ノブカツである。
「して、ノブタカよどう出る?」
「【伊賀忍軍】に情報収集を依頼しています」
ノブカツは顎鬚をなぞり
「ほぅと言う事はマツダイラ軍は味方と思ってよいのか?」
「はい。そう思っていただいて構いません。それと・・・」
「うむ、妖狐タマヅサだな。当主としてヨシトモは情けない。そのようなものに惑わされるとは・・・」
「伝説の妖、それに【アシヤ】が暗躍しているは濃厚・・・これではさしものヨシトモとて踊らされましょう」
「ふん。それくらい俺にも分かる。狙いは関東の混乱であろう」
「ええ、マサカド公の完全復活となれば・・・」
「関東のみで済めば良い・・・関東を足がガリに【タイラ】が動くは必定・・・気がかりは駿河を通っておるシキノ殿か・・・」
ノブカツは東の空へと顔を向ける。
「そちらは【六文】の精鋭が向かっています」
「・・・間に合えばよいがな・・・」
すると忍び装束の男が2人の目の前に現れる。
「【伊賀忍軍】サスケにございます」
「して状況は?」
「はっ桶狭間本陣に居る主だった者たちはタマヅサに魅了され傀儡となっています」
「それは解くことは可能か?」
ノブタカは問いかける。
「残念ながらタマヅサが健在の内は不可能かと・・・」
サスケのこの言葉には裏付けがある。妖狐タマヅサに操られていると発覚した時に魅了解除薬や万能薬で試しているのである。薬の効果で一瞬我に返るがすぐさま元に戻ってしまうのである。そして当主のヨシトモに至っては常にタマヅサが侍っている為に解除すら試せない状態なのであった。




