プロローグ
人類は数多の困難を乗り越え月に居住都市を建設するに至った。
そんな人類が戦争を起こせばどうなるのか・・・そう言った議題を国連で話し合った結果、どういった経緯をたどればこう言った結論に達するのか・・・答えは、どこかの国が「VR世界で争えばいいんじゃね?」的な発言から「VR戦争」の話し合いと移り変わっていった。
公平性を期すにはどうすれば良いのか?
各国の技術を集め作ればいい
環境はどうする?
軍事技術を披露するわけにはいかないからファンタジー世界で良くないか。魔法・・・ロマンではないか
アバターの基礎データはどうする?
遺伝子学を基に自動生成させればよくないか
それでは、現実との差異が生じよう?
遺伝子学と共に現実の身体をスキャニングすればよいだろう
それだと知力と言った物はどう数値化する?
基礎学力テストを受けさせれば良い
魔法と言ったが現実では使えんだろう? そのへんどうするよ?
遺伝子学も進歩している。超能力と言われる力についても大よそ解明されておるわ
どんなフィールドにする気だ?
現実世界ではつまらんだろうな・・・ふむ、各国の古の文化を出したフィールドで良いだろう
なら大きさは実寸大か
時代背景は旧西暦の1600年ぐらいをめどとする出良いか?
それだと我が国が有利だな
何を言う。日本には侍、忍者がおるわ! その時代の銃器レベルであればいかようにもなる
古武術と言えば我が国の少林寺拳法に一日の長があろう
嫌々、肉弾戦となれば我が国のムエタイこそ最強だ!
このような各国の代表による暴走とも妄想ともいえる話し合いの結果が各国に持ち帰られ、更に娯楽に飢えていた各国の首脳陣の行動力もあり僅か数年で実現したVRMMORPGが【オールド・タイム・ワールド・リンク】と言う訳である。通称【OWL】と呼ばれたその作品は瞬く間に全世界に普及する。
ここ日本でもβテストが行われ各都道府県100名、計4,700名が参加した。それ以降3カ月ごとにプレイヤーを増やしていき1周年となる第五陣で総人口の約80%が参加することとなった。
これはそんな【OWL】の世界でのんびりプレイしようとしていつの間にかトッププレイヤーの仲間入りを果たす少年の物語である。