1話 生徒会
碧陽学園。その生徒会は、少し特殊だ。会長、副会長は各1名ずつ。書記、会計、庶務は各2名ずつが務める。また、会長、副会長のみ立候補制。他の役員は全て会長と副会長に一任される。そのため、どこかの役員がぬけたまま解散した生徒会もあるらしい。
どうも。一ノ瀬怜夢だ。碧陽学園2年生でもある。なぜか、生徒会の会計とやらをやっている。ちなみに、もう1人の会計はまだいない。そんな俺は生徒会にいるわけなのだが、なんでも会長から話があるとか。
「会長、話って何ですか?」
「なんだ?そんなに俺と話がしたいのか?」
この人は3年生の、四葉円先輩。生徒会選挙では5人くらい候補がいたが、ぶっちぎりの1位で会長になった。ちなみに超イケメン。イケメソ滅びろ。
「そんなわけないじゃないですか。早く話とやらを聞かせて下さい。」
「円、怜夢君の言う通りよ。早く話をして。」
俺の味方をしてくれたこの人は四波夢羽先輩。副会長を務めている。これまた美人で、会長が王子様のようなイケメンなら夢羽先輩は高校3年生にして何故か色気の溢れている和美人だ。
「まあ、そうだな。だが、蒼と月も待ってやれ。」
「あら、全員に話をするの?」
「怜夢以外にはもう話してあるんだがな。」
「もしかして、あの2人のことかしら?」
「ああ。一応この生徒会に関わりがあるだろ?」
「あの、何のことですか?」
「多分、もうすぐ2人も来ると思うからもう少し待っていてくれる?」
と、夢羽先輩が言った瞬間扉が開いた。
「やっほーーい!僕が来たよーーー!」
「やほ。」
「こんにちは。蒼君、月ちゃん。」
「こんにちは。」
「よう。遅かったじゃねえか。」
今来た、テンションが高い子が1年生の五木蒼君。天真爛漫な子で、いたずら好き。役職は庶務。ちなみに、美少年。外見と性格が一致しにくい子だ。
そして、口数の少ない方が五睦月ちゃん。物静かで、蒼くんと正反対にぼーっとしているところをよく見る。役職は庶務で外見は神秘的な瞳をした美少女。性格が正反対だと、仲も悪くなりそうだが実際の所はそうでもないようだ。
「……ホームルーム……が……長引いた。」
「あら、それなら仕方ないわね。」
「それで、それで?話ってなにー?かいちょー!」
「気になるのは分かったから、俺の周りを走り回るな。」
「……蒼、待て。」
すると、蒼君がぴたっと止まってしまった。……あの、やんちゃを絵に描いたような蒼君が?
「……蒼が……止まった……だと?」
「月ちゃん、凄いね。」
「なかなかの調教術ね。」
「みんなの僕のイメージってなんなのさー!待てって言われたら待つよー!多分。」
「……そんなことより……話。」
「そうだったな。実は……。」