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0話 存在しない想い
「愛してる。」
「ずっと、ずっと、そばに居る。」
「✕✕がもう嫌だって言ったって、離れないから。」
あなたがそう言ったのが、随分昔のことのように感じられる。いや、実際、随分と昔のことなのだが。
一体、何があったのか。
一体、誰と会ったのか。
一体、何を思っていたのか。
一体、何処へ消えてしまったのか。
その答えを知っていた筈なのに、何処かへ置いてきてしまった。あなたへの思いも、想いも、重いも全部、何処かへ置いてきてしまった。だから、私は取り戻さなくちゃならないのだ。それが、きっと私の償いとなるのだから。そのためなら、何でもやろう。誰にも邪魔はさせない。例え、後ろ指をさされようとも、私は、あなたを、私のあなたへの思いを取り戻すんだ。