欲、それこそは趣向
初連載です。
夏休み、それは唐突に起こった。
建築中のビルの足場が崩壊し歩行者に覆いかぶさった。
後日知った話だがその事故の死者は23人、負傷者15人。
その事故の遺族としてテレビでインタビューされているのは事故で死んだ少年の母親。
その息子はイケメンで成績優秀、有名国公立大学への進学が期待されていたらしい。
まぁ、俺なんだけど。
今までの人生は完璧だった。
彼女もいた。
それなりに楽しかった。
でも、俺DTなんだわ。
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死んだら何も残らないと思っていたが心だけは残っていた。
考えることはできるが実際に行動に移すことはできない。
体と脳は死んでいるため空腹や睡眠欲はない。
しかし、性欲は溜まる一方である....
生前、周りの人間に比べて欲は強くなかったはずだ。
いざ死んでみるともう何も発散するモノがないという脱力感とともに強烈な欲が襲ってきた。
せめて、せめて自家発電だけでも....
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体内時計で2週間はたっただろうか。
気力は、もう限界。
なんで俺が....
声にならない心の声が漏れる。
死んでるから声になるはずもないんだが。
ぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁ
実際に声は出ないが感覚で叫ぶ。
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さらに2週間くらいたっただろうか。
今の状況は廃人に近いだろうか。
死んでるから廃人以下かな??
くだらない。
つまらない。
もどりたい。
どうしようもない思いが心から漏れる。
もちろん声には出ない。
異世界いきたい。
その瞬間、音がないはずの俺の世界にモスキート音に近い音が響く。
キィィィーン
展開早すぎなので後日修正します。