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雨の止む頃に。  作者: 峰 まこと
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梅雨に吹く春の風

 梅雨の雨がシトシト降るなか俺は走っていた。

朝寝坊に加え湿気のいたずらに巻き上げられたくせ毛が鬱陶しい限りだ。

朝の駅はサラリーマンや学生が群れのように動いている。

やっとの思いで抜けた先には電光掲示板に映る遅れ十分の文字

「まじかよ。」 

ため息をつきながら視線を落とすと辺りに桃色の空気が漂っている。

「朝からマジ最悪~」

「でもこれでミーちゃんといられる時間が増えたから俺的にはラッキーだよ」

「もーカズくんたら~」

ケッ、朝から鬱陶しい。こんなところでイチャイチャしやがって

あんな奴らはきっともう……。うらや…ふしだらな。

そんな愚痴を頭の中でこぼしながら電車を待っている俺は御手洗 瞬。

彼女いない歴=年齢の俺は現在運命的な出会いを絶賛募集中だ。

俺は今まで何人にフラれたことか、現在九連敗中。次をしくじれば大台の十人

そんな俺をクラスの奴らは”玉砕の瞬”なんて呼んできやがる。

奴らに目にもの見せてやる!と意気込んではみたものの、そんな出会いはない。

「まもなく電車がまいります。」

やっと来た。今年中に彼女を作りたい!どっかにいい人いないかな

なんてことを考えながら乗車した俺に季節外れの春の風が吹いた。

いつもと違う時間の電車には見かけない制服を着た女の子が反対側のドアに寄りかかっていた。

品のいい立ち姿に肩までスラリと伸びる黒髪、性格の良さを感じさせる優しさのにじみ出た表情。

俺の理想の女性像を具現化させたような女の子だ。

心臓の高鳴りを抑えることができない。彼女の姿を視線が追ってしまう。

俺の女子に対する抵抗力の低さが露呈する。

冷や汗をかきながらチラチラと女の子を見る男子高校生は、

はたから見ればただの不審者でしかなかっただろう。

高校の最寄り駅が近づいてくる。ああ、もうすぐ降りなければ……。

「お出口は左側です。」

電車から降りるとき、あの子も同じ駅で下車していくのを見かけた。

また俺の目はあの子の姿を追いかけている。

ふと携帯を見ると時計は八時を回っていた。

「あ、これは遅刻だ。」

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