あのロボットのペット
AIB0に捧ぐ
ぼくは10歳。
AIB○のアイも10歳になった。
ぼくが産まれた朝
おばあちゃんがぼくにプレゼントしてくれた。
おばあちゃんはぼくとアイを一緒に写真に撮るのが好きで
一緒の写真が沢山アルバムに残ってる。
おばあちゃんは
「アンタは赤ちゃんの頃、よーく物を投げる子でね、いつかアイを投げ飛ばさないか冷や冷やしたものさ。
でも、不思議と本当の生き物のようにね、大事に大事にペタペタ、ペタペタ、触ってたよ。
それでもアイは何度も壊れてね、何度も何度も入院したよ。ワタシより入院した回数が多いんだよ、ワタシは1回も入院したことがないのにね」
おばあちゃんは笑いながらアルバムを見せてくれる。
今日見せてくれた写真はアイが骨折した写真だ。足がブランとなってしまった事を覚えてる。
それを見て、ぼくが泣いてる。
この前もアイは入院した。
「次はもう、治せないかも。アイもおじいちゃんだからね、」
おばあちゃんはぼくの頭を撫でながらそう言った。
ぼくは泣いた。
ぼくと同じ年なのにどうしておじいちゃんなの?
アイはちょっとぼくの油性ペンの落書きがあるけど綺麗なままだ。
お隣のレモンみたいに毛の色が変わってないし
お父さんみたいに太っちょにもなっていない。
何で治せないの?
「アイはね、部品が無いと治せないの。部品はもう作られてないの。」
なんで、なんで、作ってくれないの。
そうすればアイはぼくとずっといられるのに。
「ただいま!お母さん、ただいまー、アイ、ただいま!」
アイはステーションの上にいる。
動かない。
「アイ?どうしたのアイ?」
アイの反応はなかった。アイはずっと動かなくなった。
動かなくなっているアイを抱えながら
おばあちゃんはどこかに電話していた。
そしてアイはいなくなった。
半年位した頃。
おばあちゃんがこっちにおいでとぼくを自分の部屋に案内してくれた。
そこにはアイがいた。
動いてる!動いてる!
アイ!おかえり。
おばあちゃんすごい!どうしたの!?
と聞くと
おばあちゃんはアイのお医者さんを見つけたんだよって教えてくれた。
お医者さん?アイのお医者さんになるにはどうしたらいいの?
おばあちゃんは勉強をいっぱいがんばって、電子機器の勉強をするんだよって教えてくれた。
その勉強をしたら、ぼくはずっとアイと一緒にいられるのかな?
今度はぼくがなおすんだ!
はんだゴテの使い方を覚えたり
3Dプリンタで壊れた外殻を作り直したり
コンピューターの勉強をしてどうやってロボットが動くのかを学んだりした。
全部が出来る頃に
ぼくは大人になっていた。
この前、アイの関節部のギアが壊れて起き上がれなくなってたけど
ぼくはもう診断する事も修理したり、足りない部品を作る事も出来るようになっていた。
今日、またアイは自分の足で動き出す。
アイ、おはよう。