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傲慢なお姫様と孤独の少女  作者: 白ヤギ
14/15

14 ハンナは蒼の事を馬鹿だと思う

ここに来て、ようやく『地の文』というものを本格的に意識してみました@w@

まだまだ未熟で視点等分かり辛いかもしれません@w@;

不慣れなので、若干くどいかもですー3-;


 蒼が手を繋いでいてくれているおかげで何とか遅れずについていける。

さっきの反応からして、確かにこの辺におるはずじゃ……

もう一度探知をしてみるかのぉ……


「ハンナ? 排水路ってこの辺よね?」


 蒼が足を止めハンナに確認する。


「ふむ、そのはずじゃが見当たらないのぉ……もう一度探知するから待っておれ」

「何言ってるの! フラフラでしょ、無理しないって約束したでしょ!」

「今はそんな事言っておれぬ!」

「―ちょっとその木の下で休んでて! 探していなかったらちゃんと頼むから……」


 確かにハンナの言う通り、今の妾はふらふらじゃのぅ…… 

 重たい体を木に預けてハンナは今までの事を思い出し考える。

自分がどれだけ無知だったこと……

今まで逃げていたせいで幾人のも人を泣かしてきたか。

 

 ……何を妾は弱気になっておる。

今はじぃの事に集中しないとダメじゃろ。


「ハンナ……大丈夫? 山田さんいたけど……」

「妾の事は心配するな、それよりどうしたのじゃ?」

「見つけたんだけど……崖の下にいて……」

「ふむ、任せるのじゃ、蒼は心配しないでよい」


 崖下にいるのなら、初級魔法のアースハンドで何とかなるじゃろ。

毎日魔力を拡散しておる山じゃ。妾の魔力にも馴染んでき始めておるしのぅ。


「ごめんね、ハンナ。

 そんなにつらそうなのに頼んじゃって……」

「ふむ、そんなにすまぬと思ておるならバケツプリンを作るのじゃ」

「うん、ハンナの風邪が治ったら作るから……早く元気になりなさいね!」


 心配性じゃのぉ、蒼は。

じぃは……あそこか。降りて助けに行くには危険じゃな。


 ハンナはしゃがみこみ地面に手を付け、目を瞑り集中する。


 蒼は、ハンナの青白い顔を見て魔法を使うのは危ないんじゃないかと止めようと思った。

それでも山田さんを助けるにはハンナの魔法が必要だ。

蒼は自分の事をひどく卑しい人間だと思った。


 つらそうなハンナが、蒼に心配かけまいと気丈に振舞う。

はたから見ていれば、常にお互い様の気もするが、今までひとりぼっちだった二人はそんな暖かい繋がりに気づくことができない。


『アースハンド』


 ハンナの声は、雨の音にかき消されるだけで魔法が現れる事は無かった。

「ハンナ……やっぱりそんな体じゃあ無理よ」

「無理だとしても今は仕方ないじゃろ!」

「わ、私が行ってくる、行って何とかしてみる」

「何とかといっても……何とかなるわけないじゃろ!」


 何を言っておる、蒼は。

あんな場所まで行けるわけないじゃろ……もし行けたとしても蒼の力で引き上げれる訳もあるまいし。

なんなんじゃ、妾に魔法は。この肝心な時に!


「待っておれ蒼! 次はうまくいくから! 妾を……妾の魔法を信じてくれ」

「違うの! 私も出来るから! ハンナを見てそう思ったから!」

「いや無理じゃろ、あそこまで下りてそのうえ大人一人を引き上げるなぞ……」


 なぜ妾は肝心なところで力が出せぬ。

少し前に自分の魔法で人を救える力にすると思ったばかりなのに。


「じゃあ、行ってくるね、ハンナも無理しないで」

「待つのじゃ! 変な意味にとらないでほしいが、行っても意味ないじゃろ」

「でも……もしいかなくて山田さんがダメだったら……絶対後悔する」


 蒼はハンナにそう言い残して滑る地面に注意をしながら、山田の元へと這い降りる。

どんだけ注意しても所詮普通の女の子。

何度も躓き滑り、たどり着いた時には体中に擦り傷が沢山出来ていた。

そもそも蒼一人が助けに行っても持ち上げれるはずもなく、普通に考えれば人を呼んでくる以外の選択肢は無いはずなのだが……

ハンナも蒼も、お互いの事を想っているのに移す行動は悪い方へ悪い方へと行ってしまう。

 

 なぜ蒼はそんなにあほなのじゃ。

やはり魔法で何とかするしかない。

崖も崩れかかっておる、次から次へと問題を大きくする。

魔法が使えぬ原因はなんじゃ。

体調が悪いからか? 日頃から魔法の事を否定しておったからか?

今は理由なんぞなんでもよい。力を望んでおる!

うまくいかぬのぉ……

蒼はじぃの所へ行けたようじゃが上がれぬようじゃ……

この雨の中どんだけ勇気がいる事か。

なのになぜ妾は何も出来ぬ! 何と、か弱く情けない。


 魔法の現象が起きるのは、世界の記憶を読み込みそれを理解し書き込む。

そのため正式な手順は、術式を書き記憶を読み込み、詠唱し理解して術名で書き込み発動する。

ハンナは自覚こそないが、幼い頃から世界から愛され魔法から歓迎されていた。

一般的な魔法使いがどれだけ時間と労力を注いでも犠牲とは無縁ではいられない。

そんな事実をハンナは知らない。


 なぜ魔法が出ぬか分からぬ!

体調が悪い? それとも精神が貧弱だからか? 力を否定していたからか?

そんなことはどうでもよい! 妾は姫じゃぞ!

みんなに恐れられておるのじゃぞ! あそこで蒼が待っておる。

たかだか2人、救えなくて何が姫じゃ。


「蒼、少し待っておれ、今すぐ助けるのじゃ」


 なぜ発動するのか考えても仕方ない。

分からぬからのぉ。

魔法を使うには魔法陣が必要らしいが、そもそも魔法陣なんて書けぬしのぉ。 

霊的な力を持つ杖もない。

困ったもんじゃ……だけど急がねば蒼やじぃがおる場所もいずれ崩れるかもしれぬ。

今ここにある霊的なものといえば……やはり妾の血しかないのぉ。

龍の血程度で、騒がれるのじゃ。龍をも倒せる妾の血なら満足じゃろ。


 ハンナは親指を噛み傷を作る。

風邪に加え、激しい雨に打たれ続けたハンナの真っ白になった指先に紅い血が滲む。

寒さか、疲労のせいか理由は分からないがハンナの体は震えていた。

その震えにも気が付かないほどに、集中する。

地面に手を付き、血を介して魔力を通す。

頭痛や気怠さのせいで集中力を欠けていたうえに、自分の力を無意識のうちに否定し続けていて魔力を上手に練れなかった状態を、血の力で強制的に魔法を呼び覚ます。

地面には空間転移の魔法陣が産み出され紅く光る。


 ふむ……魔力が地面を通じておるのが分かる。

でも気を抜くと意識が飛びそうじゃのぉ……

アースハンドでここに運ぶだけじゃあ、また蒼がじぃと妾二人を運ぼうとしてあほな事を考えるかもしれぬ。

ふっ、蒼はバカじゃからのぉ……

空間転移で二人を移動させた方が確実じゃ。妾も一緒に飛びたいが二人との距離が離れすぎておる。

しょうがないのぉ……


『ゲート』


 ふむ、あっけないのぉ、うまくいくではないか。

さて、妾も先に蒼の家に戻っておるかとするか。

約束のバケツプリンを食べなきゃいけないから……


 蒼達を飛ばした後、ハンナはその場で倒れ、冷たい雨が容赦なくハンナを濡らしていた。


さて、今回のを読んでここの文、白ヤギにしてはうますぎね?

と思った、そこの貴方!

そうです、今回は素敵な知人様からのアドバイスを頂いて修正した部分もありますので、白ヤギらしからぬ表現もあると思います@w@;

はぁ~文章の旨さや表現力を会得したいです><

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