表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
傲慢なお姫様と孤独の少女  作者: 白ヤギ
10/15

10 ハンナ売り場につく

 意外に準備は大変だったけど、いよいよ今日じゃのぉ〜。

蒼の考えた袋に書いてあるマークも可愛いのぉ♪

しかしどこかに見たことあるような絵じゃのぉ……


「ハンナ、準備大丈夫?」

「むぅ? 野菜も卵も玄関に置いたし…… 蒼! 弁当は大丈夫かの?」

「うん、お弁当よりもいろいろ忘れたら困るものあるでしょ?」

「無い!」

「本当に大丈夫かなぁ」


 蒼は相変わらず心配性じゃのう。

昨日から蒼が何度も確認してたろうに。

む? じぃの車の音じゃ。何度か車というものに乗ってみたが、良いものじゃ♪


「ハンナ! 行くよ」

「うむ」

「結構たくさん野菜あるね」

「卵は少ないがのぉ……」

「すぐプリン作れって言うからでしょ!」

「むぅ」


 じぃ達も手伝ってくれて荷物を運ぶ。

こっちに来てから妾も働き者になったのぉ♪


 いや…… 皆これくらい普通の事かもしれぬ。

妾の世界ではまだ小さい子供も働いておった。

何も考えずに生きておったんじゃな。


「どうしたの、ハンナ?」

「む、考え事じゃ」

「え! ハンナ熱あるの? それとも雪…… いや地震!」

「何を言っておる! 妾は健康だし今は夏じゃ! 地震は…… 分からぬが」


 むぅ! 蒼は失礼な奴じゃ!


「うし! ほいじゃあ車に乗って」

「あ、はぃ。お願いします」

「うむ、よろしく頼む」

「なんで偉そうなのよ…… 」


 車に乗って道の駅という場所に行く。

今回はそこの駐車場の一角で売るみたいじゃ。

よく分からぬが楽しみじゃ♪

蒼は心配そうな顔だったり、ニマニマしたり情緒不安定だのぉ……


「ハンナ、大丈夫かな?」

「何がじゃ?」

「いや、売れるかなぁ…… と思って」

「ふむ、売れなかったら自分達で食べればよいじゃろ」

「まぁそうだけど……」


 相変わらずじゃのぉ。


「蒼の自慢の野菜たちじゃろ? そんな風に思ったら野菜も可哀そうじゃ」

「ハンナ……」

「くねくね虫に野菜が食べられてしまう! 大変じゃ!」

「もぉ! ありがと……」

「なんじゃ、よく聞えぬ?」

「なんでもない!」

「もう一度大きな声で、ありがとう今日はプリン作るねと、言ってもよいのじゃぞ」

「聞こえてるじゃない、それに勝手に増やさないでよ」


 蒼はこんな一言で元気になる。

村のみんなも蒼の事を気にかけておるのは分かる。

蒼も気づいておるのになぜそんなに怖がる。


 妾も蒼が元気になればうれしい。

妾の声もいつかは蒼以外の人を元気にさせることが出来るかのぉ。

むぅ、車が止まった。

人が沢山おるのぉ。ふむ、野菜やらパンやらいろいろ売っておる。

楽しそうじゃのぉ♪


「蒼ちゃん着いたぞ。蒼ちゃん達の売り場はあそこのテントだから準備してなぁ~。誰か手伝いいるかぁ?」

「と、とりあえずは大丈夫です。ハンナと準備します」

「うむ♪ 運転ご苦労じゃった」

「だからなんでそんなに偉そうなのよ!」

「いたっ、頭を叩くな」

「蒼ちゃんいいよ、じぃはお役にたてて光栄です」

「うむ、気にするな」

「こら! ハンナ!」

「逃げるのじゃぁ~♪」


 蒼と一緒に野菜や卵を並べる。

卵は5個入りが2袋しかないがのぉ……

蒼のプリンが美味すぎるのがいけないのじゃ!


「ハンナ…… 卵5個で300円て高くない?」

「むぅ…… そうかのぉ?」

「むしろ蒼の野菜が安すぎる気がするの~」

「初めてだし、周りより少し安めのがいいかなって」

「ふむ……」


 なるほどなぁ。

蒼はいろいろ考えておるんじゃのぉ。


「売れるといいね、ハンナ♪」

「うむ♪ 売れるじゃろ」


 そろそろ開店じゃ♪ 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ