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異世界転生したら暴れるしかなくね?  作者: また懲りずに書いておりますがなにか?
6/9

お嫁さん候補っ!?

主人公、早く暴れませんかねえ……。

「……ということは……そのドラゴンさんはエリルちゃんのお母さんになってしまった、ということですか……?」


「そういうことになるな」


幼龍を抱きながら、嬉しそうに俺の身体に寄りかかるエリルを尻目に、キャルとリザに現状を説明する。


リザの確認にしれっと応えると、キャルがより一層睨みつけてくる。


「……まさか、結婚するなんて言うんじゃないでしょうね?」


どう考えたらそのような質問になるか分からず、俺はため息をついて見せる。


「んなわけあるか。俺はこんな面倒なものはいらん」


その様に応えると、それまで満足な笑みを浮かべていたエリルは、泣きそうな顔で俺の服の袖を摘まんだ。


「!……イクアさんは……私のことが嫌いなんですか……?」


大きな瞳をうるうるとさせて、まるで捨てられた小動物であるかのようにこちらを見上げる。


「……っ!」


俺はそれを直視出来ずに顔を背ける。


やはり俺にとってエリルは苦手な存在だと思う……。


「……嫌い、ではない……」


俺は答えに困って、茶を濁すようにつぶやいた。


あれ?俺はなぜはっきりと嫌いだと言わないんだ?


頭を抱えそうになる俺とは対象的に、エリルの次に口から出て来た言葉が、俺を完全に悩ませた。


「じゃ、じゃあっ結婚できますねっ!」


ーードテッ!!


そんな音が聞こえそうになるくらいに、俺を含めた三人は椅子から転げ落ちそうになる。


「え、エリルちゃん?こんな変態にノコノコ着いて行っちゃダメよ?」


「そ、そうですよ……!結婚というのは後の人生に影響してしまいますから……もう少し考えた方が……」


二人の説得を聞いてエリルは可愛らしく、無い胸の前で腕を組んで見せた。


「良く考えましたっ!私、結婚しますっ!」


ーードテッ!!


本日二回目のずっこけ。


エリルはなんというか……いや、子どもとは存外この様に物事を楽観してしまうようだ。


「たとえイクアさんが変態さんだったとしても、私はイクアさんが大好きですっ!」


おいっ!


勝手に変態にするなと言おうとする前に、リザがエリルに尋ねる。


「どうしてイクアさんのことが好きなんですか?」


その質問は最もだと思って、出かかっていた言葉を飲み込んだ。


エリルは表情を少し暗くして語り始める。


「私はお姉ちゃんのお手伝いで、最近になってからこの宿で働き始めました」


まだ小さいエリルは、神妙な声音で話を続ける。


「……でも、全然上手くいかなくて、お客さんを何人も怒らせてしまいました」


恐らくそうなのだろうと思っていたが、エリルの姉もよく働かせていられるな。


胸の内でそう思っている間にも、彼女はしゃべり続ける。


「お姉ちゃんはもともと優しいので、怒ることもなかったんですけど……どんなに頑張っても失敗ばかりで……」


自分の言葉に肩を落とすエリル。しかし、それは仕方のないことだろう。なんと言ってもエリルはまだ子どもなのだ。


と、エリルは表情を輝かせて俺を見上げる。


「でも、イクアさんは違いましたっ!私が失礼なことをしたのに、優しく許してくれたんですっ!自分も悪かったとーー」


「……っ!」


たったそれだけで……。


俺の顔を尊敬など通り越して、エリルは情愛の熱意で見つめてくる。


あぁ……。


この子は本当に俺の事を想っているんだな、と身にしみるように実感する。


だが、子どもの純粋な心は、ときに残酷になることも分かる。


「……そうか、エリルの気持ちは良く分かった。だがーー」


何か言おうとしたキャル達を遮って、エリルに向き直る。


「だが、俺はお前とは結婚出来ない」


「この大陸では年齢に関係なく籍を入れられますっ!」


反論するエリルに、そうではないと告げる。


「お前のことを俺は好きなんだろう。だが、俺はお前を女として見る事が出来ない」


エリルは残念そうに目を伏せる。


「私がまだ子どもだからですか?」


「そうだ」


「…………」


俺の真剣な言葉に、エリルは黙って考え込む。


しばらくしてエリルは口を開く。


「……分かりました。イクアさんがそういうのでしたら私にはどうすることも出来なません。ですがっ!このまま黙って後ろに下がれるほど、私の愛は軽くありませんっ!」


「「「ーーえっ?」」」


三人の声が絶妙に重なる。そしてーー


「イクアさんっ!私と婚約してくださいーーっ!」


「そう来るかっ⁉」


……その後エリルの姉を混ぜて、話し合いに話し合いを重ねた結果、エリルは俺のお嫁さん候補になることとなった。


「私、絶対諦めませんからっ!」


そう宣言するエリルは、俺の腕を満面の笑みで抱きしめたーー








少し文字が少ないですが、無理なく参ろうと思います。ご愛読、まことに感謝致しますっ!

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